10月24日の開幕戦はIKAI KYUSYU GRUNS、翌日にはBリーグ参入を表明した山口ペイトリオッツと試合が続く。特に九州勢はレベルが高いと警戒し、対策を練って臨む「初戦をまずは勝ちたい。そこから対戦相手をスカウティングし、どこで崩せるかなどを探して勝利を重ねていけるようにしたいです」という杉は、初代キャプテンとしてチームを引っ張っていく。
名もない石ころのような選手が小豆島に集まった。「小さい頃から選抜に呼ばれたことはなかったです。実業団に入ることはできましたが、チームを探していた中で大商大のOBから誘われただけです」という杉もその一人だ。大自然を使ったトレーニングをしながら、「僕自身も島にフィットしている感があり、充実した毎日を過ごすことができています」と恵まれた環境で鍛練を積む。
バスケを通じてSNSでつながった人たちに小豆島の魅力を発信したところ、「高校の後輩がストーンズに入ることになりました。どんどんいろんな選手に来て欲しいです」とその輪を広げている。しかし、ロスターには限りがある。杉が目標を叶えて巣立っていくことで、次の選手を迎え入れることができる。その好循環が生まれたとき、小豆島ストーンズが成功した証となるはずだ。
プロバスケットボールクラブをつくろう!略して「バスつく!」
Bリーグ参入を目指さないプロバスケクラブの見据える先とは──
part1「スポーツ業界の在り方を変えていく取り組み(小豆島ストーンズ 丹生茂希GM代行)」
part2「真剣に、夢中になれる環境で見つける天職(小豆島ストーンズ #29 橋本翔平)」
part3「大自然を使ってトレーニングできる小豆島の魅力(小豆島ストーンズ #3 杉信男)」
文 泉誠一
写真 小豆島ストーンズ
画像 バスケットボールスピリッツ