ファンのためにもこれまで以上の熱を込めて
今年のオフシーズン中には緊急事態宣言も発令され、新シーズンへ向かう準備もこれまで通りにはいかない。宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは、「外国籍選手は入国後に2週間の隔離期間があったため、例年よりも全員が揃って練習できる時間が、どのチームもそうだが少なくなっている」と言う。実際、プレシーズンゲームへ向けた全体練習は2回しかできなかった。これは名古屋Dも同じである。また、外国籍選手は入国制限やビザの問題もあり、宇都宮のL.J.ピークと名古屋Dのレオ・ライオンズは来日の目処も立っていない状況だ。
7月23日、名古屋Dはフロントスタッフに新型コロナウイルス感染者が発生した。「2週間以上も体育館が使えず、練習ができない選手たちのストレスは計り知れないものがあったと思う」と梶山ヘッドコーチは明かす。様々な制限を強いられる選手たちに対し、「ガマンしながらも、常に前向きに取り組んでくれていることに感謝しなければならない」と続けた。
「例年はファンの皆さんの声で盛り上げてもらっているが、自分たちから声を発していかなければならない。そこが新たなチャレンジになる。チーム内で盛り上げていきたい」と安齋ヘッドコーチは選手たちに発破をかける。梶山ヘッドコーチも「コロナ禍だからといって、練習ができていないわけではない。こういう時だからこそファンの方々により良いバスケを見せられるように、プロとしてやるべきことを全うしていくだけ」とこれまで以上の熱を込めて、開幕へ向かってファンのためにそれぞれが準備している。
今週末9月12日・13日は、プレシーズンゲームで最大となる7試合がバスケットLIVEで中継される。応援するチームや選手たちの元気な姿を確認するとともに、コロナ禍における観戦スタイルの変化にも注目してみてはいかがだろうか。クラブや地域によって、違いや特徴が見えてくるかもしれない。
文・写真 泉誠一