「スタッツはあまり気にしていないです。積極的にプレーすることは大事ですが、日本代表に入るためにも、ポイントガードとしてまわりの選手やチームの流れを良くすることが大事です。自分でアタックして得点することでチームの流れを良くするのであればその選択をしますし、ボールを回してディフェンスを崩してチームの流れを作ることも大事になります。毎試合チームの流れを見て何が必要かを考えながら、勝利に貢献できれば良いです」
8月に発表された2020年東京オリンピックへ向けた日本代表候補メンバーの中に、テーブスの名はなかった。2023年に沖縄でも開催されるワールドカップを視野に入れた若手が揃うBチームに留まったが、今シーズンの活躍次第ではいくらでも上書きできる。目標をつかむためにも、インパクトを残さねばならない勝負の年となる。
今シーズンも宇都宮は戦力に大きな変更はなく、主軸は変わらない。新加入したジョシュ・スコットがすでにフィットしていることは、プレシーズンゲームでも確認できた。チームメイトの特徴を把握して臨む今シーズンは、大学1年時のような広いビジョンから巧みなパスを繰り出し、アシスト数が増えることも期待される。しかし、テーブスの考えは違った。
「アメリカではアシストがメインであり、コーチにもそこを求められていました。もちろん、今でもパスファーストのガードだとは思っています。しかし、Bリーグのディフェンスは1on1が多く、ヘルプディフェンスを多用してくるので簡単にノーマークの選手が生まれません。もしかすると、自分からゴールに向かっていくことが一番良い選択肢になるのではないかとも思っています。相手もスカウティングをしてきて、ドライブをさせないように守ってくるかもしれないです。それぞれの状況を判断しながら、どんどん周りの選手にパスも出していき、勝利に貢献できるようにしたいです」
Bリーグに対する傾向と対策を行ったテーブス海は、確実にバージョンアップしている。開幕までの約1ヶ月は遠藤祐亮、鵤誠司、渡邉裕規、そして40歳を迎える田臥勇太らガード陣と切磋琢磨し、まずはチーム内の競争に勝たなければならない。オフにインプットしたものを毎週のように続くプレシーズンゲームで試しながら、22歳になって臨む新シーズンへ向けて調子を上げていく。
文・写真 泉誠一