part3「これからのガードにはピック&ロールが必須」より続く
佐賀にはB1に上がる力も、魅力もある!
チーム創設3年目にしてB2へ昇格し、目標である「B1最短昇格」に一歩前進した佐賀バルーナーズ。とはいえ、B2はけっして甘い舞台ではない。特に今シーズンは入れ替え戦がないため、上位2チームに入れば、ライセンスの取得次第で即B1へ昇格することができる。どのチームも例年以上に目の色を変えて、戦ってくるだろう。実際、多くのB2チームが選手を補強している。それでもベテランの小松秀平も、ルーキーの澁田怜音も目標達成への意識はぶらしていない。小松と澁田は今シーズンのB2をいかに戦おうと考えているのか。2人による佐賀バルーナーズ談義・最終回はB2に挑む思い、佐賀の未来を語ってもらった。
── お二人はともにB2の経験がありますが(澁田選手は特別指定で)、B3との差をどう感じていますか?
小松 正直に言えば、B3でもB2に匹敵する、レベルの高いチームはあります。それこそ昨シーズン、B3で上位を争ったチームはいずれもチームとして戦っていたんですよね。彼らがB2に上がってきたらどうなるんだろう? 見てみたいと純粋に思います。一方で僕はB2を経験した人間なので言わせてもらうと、B2でもチームになっているチーム、なっていないチームに差があると思っています。チームとしてこの選手を中心に、こういうシステムでやろう、そうしたやりたいことが見える、フォーメーションひとつを取っても「なるほどな」って思えるチームは上位にいます。一方で外国人が好き勝手にやってしまうチーム、オフェンスもディフェンスも何をしたいのかがわからないチームはやはり下位にいます。さらに言えば、さまざまな条件を含めてB1に上がるチャンスがあるチームと、そうでないチームにも差が出てくるんじゃないかと思います。目標をしっかり持てているチームの選手やコーチのモチベーションっていうのは、60試合もやっていると差が出てくると僕は思っています。
── その点で言えば、佐賀というチームはB1に上がる可能性を持っていると言えますか?
小松 そうですね。それが僕がここに来た理由の一つでもあります。やっぱりB2の選手がB3に移籍するって簡単なことではないんです。それでも移籍を決めたのは、自分が成長したいとか、ヘッドコーチがスペイン代表のコーチだとか、いろいろあったんですけど、竹原(哲平社長)さんと話をして「佐賀が見ているビジョンはB1に行くことです」って最初に言われたことなんですよね。条件のひとつになっているアリーナも佐賀県で作っています。8000~9000人の規模だと聞いています。アリーナの問題はクリアできるはずですから、求められるのは成績ですよね。コロナの影響で集客の条件がどこまで求められるかわかりませんが、まずは上位2チームに入って、B1ライセンスを得られれば、来シーズンはB1に昇格できる。竹原さんも「今年狙います」って話をされたので、そう言っている社長を信じてプレーするだけだと思っています。