── だからこそのフリースローだと。ただシューターは打ち続けることでその存在感を発揮することができるとも言えませんか。
小松 そうですね。この年齢なので、成長はしたいですけど、3ポイントシュートにもっとこだわってもいいのかなとも思っています。長い時間プレーすることはできないですけど、3ポイントシュートがあるからどのチームも怖いと思うし、本当に「小松は3ポイントシュート」っていうイメージをもっと植え付けてもいいのかなって思っているので、そこはしっかりこだわっていきたいですね。
── しっかり書いて、各チームに印象付けておきましょう(笑)。
小松 全然打たなかったらどうしよう……あいつ、全然スリー打たねぇじゃんって(笑)。
── 小松選手の3ポイントシュートに対して、澁田選手の自分の持ち味はどこにあると思っていますか?
澁田 ピック&ロールですね。ピック&ロールは小学生のときからずっとやってきていて、高校でも「プロに行くなら絶対にピック&ロールだぞ」と言われてきたんです。実際に昨シーズンもフォーメーションをやってうまくいかないときは、ノータイムになったらガードがピック&ロールをするというケースが多かったんです。そこでチャンスメイクできるか、シュートを決めきれるかは僕の技量だと思いますし、そこで勝負していきたいなと思っています。
── スペイン、ポイントガード、ピック&ロールというと、イメージしているのはリッキー・ルビオですか?
澁田 しなやかにプレーするという意味ではルビオも参考にしていますが、僕はまず自分がシュートを狙って、得点に絡めることを第一優先にしています。得点が取れればディフェンスが寄ってくるので、そこでパスをうまく捌ければいいかなと思っています。
── 誰か参考にしている選手はいますか?
澁田 富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)のプレーはよく見ていますし、年下になるんですけど、河村勇輝選手(東海大学1年)も短い期間でしたけど、すごいな、高校生であそこまでできるなんてすごいなって思いながら見ていました。
小松 確かに怜音は富樫選手に似ているところはありますよね。(すると急に髪をセットし始める澁田)別に7:3分けをせぇとは言ってない(笑)。これからのガードは、身長の高い低いは関係なしに、ピック&ロールを使える技術が大切になります。しかもそれは世界共通なことで、最終的にはピック&ロールなんですよ。24秒計が残り10秒を切った、困った、何をする? ピック&ロールでズレを作って、ビッグマンを引き出してっていうのは絶対に必要なので、ピック&ロールをやれる技術は必要なんです。さらに僕が10年前、bjリーグにいた時代とちょっと変わってきたのが、ガードが速いだけじゃなくなってきた。bjリーグにいたときって、小さくて速いけどシュートがないっていうガードが多かったんですね。でも今、シュートのないガードは捨てられる。スカウティングでも「打たせていいよ」って言われます。そのなかでシュートを打つ、決められる力を持っている選手は生きてくるんじゃないかと思うんです。怜音はシュートも打てるし、中に入ればフローターも打てるし、パスも捌ける。しかも速い。そういう要素は今後、佐賀を見て勉強できるところかなと思います。
part4「佐賀にはB1に上がる力も、魅力もある!」へ続く
文 三上太
写真 佐賀バルーナーズ
画像 バスケットボールスピリッツ編集部