part2「リスペクト、ファミリー、そして謙虚」より続く
これからのガードにはピック&ロールが必須
それぞれがそれぞれの思いを抱いて佐賀バルーナーズの門を叩いた小松秀平と澁田怜音。チームを語る言葉とともに少しずつ彼らの人となりも見えてきたが、果たして彼らはどんなプレーヤーなのか。身長やポジションなどはプロフィールなどを見ればわかる。年齢も、小松が熊本ヴォルターズの小林慎太郎、サンロッカーズ渋谷の広瀬健太と同じ35歳で、澁田が富山グラウジーズの岡田侑大、専修大学の重富友希・周希兄弟と同じ21歳だといえば、なんとなく世代感もわかる。しかし彼らがどんなプレーに自信を持っていて、B2を戦ううえで何を課題にしているのかは、やはりなかなか見えづらい。今回はプレーヤーとしての2人に迫ってみたい。
── 今シーズンは舞台をひとつ上げて、B2で戦います。個人的にテーマにしていることは何でしょうか?
澁田 僕は2つあります。ひとつはディフェンスです。ディフェンスは昨シーズンからずっとルイスヘッドコーチに厳しく指摘されていたので、まずはディフェンスを課題にしたいと考えています。また将来的にはB1でプレーしたいと思っているので、ディフェンスのできないプレーヤーはB1にも行けないし、試合にも出られないと思うので、チームルールを守ったうえで、どこまでディフェンスでアピールできるかが僕の課題です。もうひとつはメンタルです。大学の試合でももちろん100%の力でやっていましたけど、プロになればブースターの人たちが会場に見に来てくれて、大学のときより責任が重くなると思うんです。そのなかでいつもどおりのプレーができなければいけません。昨シーズンはメンタル面での弱さがたくさん出たので、今シーズンは気持ちのブレを出さないよう、ポイントガードとしても、プロ選手としても、メンタル面での成長をもうひとつのテーマにしたいと思っています。
小松 やってくれないと困ります。
── 小松選手はどうですか? B2で再び戦うためのテーマになります。
小松 どのチームも「小松には3ポイントシュートを打たせるな」っていうことになると思うので、それ以外のところでしょうか。絶対に「打たせるな」という指示であれば、シュートフェイクをしたらだいたい飛んでくると思うので、そのあとの動きですよね。ワンドリしてプルアップジャンパーを打つか、ゴール下まで持っていくか……あとはフリースローをもらえる力を今以上につけていかなければいけないかなと感じています。
── フリースローですか?
小松 はい。昨シーズン、勝てた要因のひとつとして、結果的にリーグの得点王にもなったトレイ・ギルダーを中心に得点が取れたことがあるんですけど、特に第4Qで接戦になったときに彼がフリースローをしっかりもらって、しかもそのフリースローを高確率で決めてくれる時間帯がすごく長くあったんです。もちろんそれだけではないんですけど、フリースローでしっかりつなぐことでチームに流れもできていたし、ひとりひとりがそれぞれの仕事、何をしなければいけないのかを、それぞれの持ち味を出しながら徹したところにチームとしてうまくかみ合ったように思うんです。