── バスケット的にはどういうチームなんでしょう?
澁田 佐賀には自分勝手なプレーをする選手は一人もいません。チームとしてのタフショットは打たないようになっているので、先ほど秀さんも言いましたが、本当にチームとしてひとつになって戦っている実感があります。僕自身は得点を取りたいタイプですが、たとえ自分が得点に絡めなくても、スペースを取ったり、パスを出したりして、チームが一体になって戦えているなっていうのは昨シーズンから感じていたことです。
小松 一言では難しいですけど、勉強になるチームかなって思いますね。どのチームもコーチのやりたいことを選手が体現するわけですが、佐賀には今までなかったようなシステムがあるんです。もちろん今までもやったことのあるオフェンスのシステムやディフェンスのシステムもあるんですけど、今年でプロとして13年目を迎える僕のキャリアの中でも「え、ここはこうなの?」って思うところがあるわけです。それがまたハマるんです。もしかしたらそれは今スペインがやっていること、世界的にも最先端なことをやっているかもしれません。そう考えると試合を見ていてもおもしろいだろうし、今後僕が指導者になったときに試したいなって思うことも多々ありますね。
── やりたいことがはっきりわかるけど、相手にしてみたら簡単には止められないし、簡単には攻められない。
小松 はい。たとえば、ひとつのオフェンスのフォーメーションがあったとしても、そこには枝分かれしているとか、ここはこう来たからこうとか。守っているのはロボットではなく人なので、こうしてきたらこうだよねとか、そういうリアクションのバリエーションがどんどん出てくる。ひとつを止められたら終わりじゃなくて、そこを止められたら次にこう動こうというところが出てくるので、やっている側もおもしろいんです。
part2「リスペクト、ファミリー、そして謙虚」へ続く
文 三上太
写真 佐賀バルーナーズ
画像 バスケットボールスピリッツ編集部