2020-21シーズン、信州ブレイブウォリアーズが満を持して、B1のステージに上がる。2018-19シーズンはB2チャンピオンになったが、財務面でクラブライセンスの基準に達することができず、B1昇格は叶わなかった。Bリーグの場合はチームの成績だけではなく、クラブ運営面でも成果が求められ、両輪で結果を出さなければならない。続く昨シーズンは広島ドラゴンフライズと並ぶ40勝を挙げ、B2最高勝率タイ。コロナ禍によりシーズン途中で終了となったが、信州は2年連続中地区優勝を果たした。クラブ運営でも努力が実り、B1クラブライセンスが交付され、初の最高峰リーグに挑む。
成長著しい3年目の栗原ルイスと、新加入したベテランガードの山本エドワードに、今シーズンへ向けた展望をうかがった。
B1経験者の加入でプラスの変化
「B1を経験した選手が加入し、これまで以上に良い練習ができています」という栗原は、自身初となるB1へ向けて移籍組から学ぶことが多い。中でも同じポジションの山本は島根スサノオマジックでB1を経験し、千葉ジェッツのキャプテンだった小野龍猛は早くもその存在感を放っていた。栗原は「みんなのB1に対する意識や練習に取り組む姿勢が変わったとあらためて思います。龍猛さんは積極的に声を出したり、コミュニケーションを取ってくれています。雰囲気はもちろん良くなっていますし、アドバイスしてくれることがありがたいです」と経験者から多くを吸収している。
同世代の山本にとっても、「大きくて動ける日本人選手はなかなかB2にはいなかったので、龍猛の加入はチームにとって大きなメリットです。3番(スモールフォワード)も4番(パワーフォワード)もできる選手なので戦術のバリエーションが増えますし、一緒にできることが楽しみです」。そんな山本は過去2シーズン、ファイティングイーグルス名古屋の一員として対戦してきた。信州の印象について、「マジメな選手が多い。日に日に成長しようという思いがあり、ベテランも若手も関係なく切磋琢磨しながら、一歩ずつ成長できています」と話し、すんなりとチームに溶け込んでいるようだ。逆に山本の印象について、栗原に聞けば「良い意味でいやらしい選手。痛いところを突かれたり、シュートを決めきる力があるので、試合終盤にちゃんとシュートを決められる選手」と感じていたようであり、チームメイトになった今は心強い存在だ。