課題を見直すことができた1ヶ月間
レバンガ北海道はケネディ・ミークス、市岡ショーン、マーク・トラソリーニの3選手が、3月14日の川崎ブレイブサンダース戦を前に37度以上の発熱が発覚。新型コロナウイルスが疑われる目安となる37.5度には達していなかったが、「安全面や川崎にご迷惑をかけることはできないことを第一に考えて決断しました」と内海知秀ヘッドコーチが明かすとおり、リーグ再開初戦は土壇場でキャンセルゲームとなった。
翌日は3選手とも熱は下がっていたが帯同させることなく、残る11人で試合に臨む。しかし結果は、97-71と26点差をつけた川崎が圧倒した。後半開始早々、川崎はニック・ファジーカス(207cm)とジョーダン・ヒース(208cm)、新戦力のパブロ・アギラール(203cm)の3人を同時に起用し、12-0のランで一気に突き放す。「北海道にとっては手一杯だったと思う」とファジーカスが言うように、高さを生かした川崎が第3クォーターだけで29-11と18点リードし、勝負をつけた。
北海道は発熱の影響で外国籍選手はマーキース・カミングスだけだったが、リバウンド数は川崎の44本に対し、34本と意地を見せる。身長差でビハインドを背負う中でもボックスアウトを徹底し、前半のリバウンド数は北海道の方が6本多く、39-42と3点差で追いながらゲームは進んでいた。その時間帯、北海道に流れを引き寄せたのがルーキーの内田旦人(※昨シーズンは特別指定選手として入団)である。前半は3本放った3Pシュートと、2本の2Pシュートをいずれも全て決め、14点を挙げてチームを勢いづけた。後半は1点しか上乗せできなかったが、15点のキャリハイを記録する。
「最近の練習では気持ちよくシュートを打てていますし、ゴールにアタックすることもできていました」と内田自身も手応えを感じていた。「良い準備期間になった」という新型コロナウイルスの影響で中断した1ヶ月間を無駄にはしなかった。
「チームの課題をもう一回見直すことができました。1ヶ月空いたことは、良い意味でしっかり準備することができたと思います。個人的にも、もう一回オフェンスのところにフォーカスをしたり、ディフェンスは練習中からアグレッシブにできていました」
現時点で新型コロナウイルスの国内感染者が一番多い北海道ゆえに、「この1ヶ月間でどれだけ練習できたかと言えば、それほどたくさんできたわけではありません」と内海ヘッドコーチは言うように、体育館が使用できないなど活動を制限せざるを得ない状況でもあった。「若い選手たちは限られた時間の中でも、ギリギリまで練習をしていました。それが少しずつ伸びてきているのかな、という手応えは感じられています」と内海ヘッドコーチは選手たちの努力を見守り、その成果を川崎戦で発揮していた。