「中学生のときから同じような体格と、同じようなプレースタイルだったので。本当に日本人離れしているし、あの身長(185cm)で、あの体重(95kg)で、あの動きができる選手はなかなかいないです」
千葉ジェッツvs宇都宮ブレックス戦でのポイントガード対決は、26歳同士のマッチアップとなった。千葉ジェッツの富樫勇樹が、日本一になった本丸中学校(新潟県)時代から切磋琢磨してきた春日中学校(福岡県)出身の鵤誠司についての印象が冒頭のコメントである。
外国籍選手相手にもフィジカルで負けないポイントガード
「千葉には富樫選手もいるし、強いチームや東地区と対戦するときはディフェンスから入らなければならない。誠司の働きはディフェンスでかなり大きく、今日もよくやってくれた」という安齋竜三ヘッドコーチは、先発ポイントガートとして鵤を起用している。8得点を挙げたこの試合で、鵤自身は個人通算1,000得点を達成した。
「マッチアップしても嫌な選手だし、特に同級生ということで、より負けたくない気持ちも強くなる」という富樫だったが、6つのターンオーバーは今シーズン最多タイ。「ポイントガードとしてその数はけっして良くないし、多すぎる数字だと思う」と反省するとおり、堅守な宇都宮の前に精細さを欠いた。約1ヶ月ぶりのリーグ戦であり、無観客の歓声なき異様な状況が少なからず影響を与えてもいた。
福岡第一高校時代の鵤を見て、「和製チャールズ・バークレー」とメディア同士で話していたのが懐かしい。富樫が振り返ったように、当時からそのフィジカルとセンスに将来性を感じていた。一方でその体格ゆえに、ポイントガードであることを忘れてしまうこともしばしば。今シーズン、ケガ人が多かった序盤戦の宇都宮において、ジェフ・ギブスが戦線離脱したときは鵤がカバーしていた。「アンダーサイズでも(外国籍選手を相手に)身体を張って相手にストレスを与えてくれた」とそのときも安齋ヘッドコーチは、ディフェンスでの活躍を評価している。