仙台89ERSの“GO-TO GUY”
B2東地区首位に立つ仙台89ERSが、今シーズン2度目の9連勝を挙げた。2020年に入ってからは1度しか負けていない。ここ20試合は18勝2敗で波に乗る。「誰が出ても、今は自分たちでゲームを作れる時間帯ができつつある」と桶谷大ヘッドコーチは好調の要因を挙げた。月野雅人と金城茂之がケガから復帰したことも大きい。今シーズンより仙台に戻って来た片岡大晴を合わせた三十路のベテラン3人が、「一番ソリッド(堅い)なプレーをしてくれるし、不必要なことをしない」と安定感をもたらせている。
昨シーズン、桶谷ヘッドコーチとともに仙台へやって来た澤邉圭太は、現在平均11.8点で日本人チームハイの活躍を見せる。今シーズンはシックスマンとして、「流れを変えるきっかけやオフェンスが停滞しているときにアタックやボールプッシュをして、トランジションオフェンスからしっかり得点を獲って、流れをつかめるようなプレーを意識しています。ここ最近はそれが型にはまってきて、やりやすい感じになってきています」と成長を実感している。
「彼はゲームを決められる力がついてきて、このチームの“GO-TO GUY”になっている。クロスゲーム時に誰で攻めるかとなったとき、8割方は彼のところで攻めており、それによって勝利を拾うこともできている」という桶谷ヘッドコーチの下で4年目を迎えた澤邉は、頼れる男=“GO-TO GUY”へと変貌を遂げた。
澤邉とともに片岡も二桁得点(平均10.2点)をマークし、平均9.5点の白戸大聖が続く。先月末より復帰した月野は、東京Z戦でシーズンハイとなる19点を挙げた。日本人選手がしっかり得点を挙げながら、「プレータイムもシェアできていますし、相手も守りづらくなっていると思います」と澤邉も手応えを感じている。献身的なプレーをする外国籍選手たちの存在も特筆すべき点だ。昨夏に弊サイトで特集した志村雄彦GMが紹介してくれた『Grind!』のカルチャーをチーム全体で体現し、花開きはじめている。
得点面で日本人トップに立つ澤邉だが、「自分がアタックすることでディフェンスを収縮させて、空いていたコーナーにボールをさばくことを心がけていました」という東京Z戦は、次々とスキップパスを出しながら良い流れを生み出していた。桶谷ヘッドコーチは「ボールピックを彼に使うケースが多いので、自ら点数を獲れなかったときやオーバーヘルプに来るチームに対してはボールをさばけるようにしてきた」と話すように、準備してきたことがアシストにつながっている。2月8日の越谷アルファーズ戦ではキャリアハイの10本を記録した。