ラッキーショットからはじまったプロキャリア
台風19号の影響により、2019年10月12日の試合が延期となっていた横浜ビー・コルセアーズvs秋田ノーザンハピネッツの代替ゲームが2月12日に行われた。初戦は75-60で横浜が勝利している。約4ヶ月ぶりの第2戦へ向け、「15点差以上で勝とう」とリベンジに燃える秋田が第4クォーターだけで35点を挙げ、93-75で圧倒した。若い大学生たちの活躍が目立つ試合でもあった。
横浜の特別指定選手である赤穂雷太(青山学院大学3年)は、17分の出場ながらチームハイの16点を叩き出し、キャリアハイも更新する。試合後、多くの記者がこの若者を囲んでいた。同じく秋田の特別指定選手、多田武史(拓殖大学4年)は前節に続いて先発を託される。その期待に応えるように3Pシュートを4本沈め、こちらもキャリアハイとなる12点をマークした。保岡龍斗がケガで外れている今、「必要な選手」と前田顕蔵ヘッドコーチの信頼をつかんでいる。
もう一人、現役大学生がコートに立った。5分43秒出場し、1アシスト、3ファウル、2ターンオーバー。2本シュートを試みたが、1度もネットを揺らすことなく終わる。先に挙げた2人と比較すれば、ネガティブな要素ばかりだった。しかしルーキーの大浦颯太(日本体育大学4年)にとっては、スタッツの一つひとつが真っさらなキャリアに刻まれていく。良い部分は自信にし、悪い数字は反省点として次のチャンスにつなげれば良い。チームに合流したのは先週火曜日だった。
「その日はシューティング程度のワークアウトだけ。しっかりチーム練習ができたのも水曜と木曜だけでした」という準備期間の中、2月9日の大阪エヴェッサ戦でデビューを果たす。16分50秒のプレータイムを与えられると9点、2アシストを記録し、チームの勝利に弾みをつけた。
「最初のラッキーショットからはじまりました。チームとしては、オフェンスよりもディフェンスを重視している中、そのディフェンスをすごくがんばることもできました。まだまだ課題はありますが、そこを修正していければもっとチームに貢献できると思いますし、デビュー戦は悪くはなかったと感じています」
続く横浜戦では、第1クォーター残り2分に登場する。しかし、すぐさまオフェンスファウルを取られ、ターンオーバーになってしまう。続いて出番が回ってきたのは第2クォーター残り2分11秒、32-28と横浜に追い上げられていた場面だった。成功はしなかったが、思い切り良く3Pシュートを打っていく。その積極性が空回りするように2つ目のファウルを犯し、前半の残り少ない時間を全うすることなくベンチに下げられた。ゲームが決まっていた最後の2分40秒間にチャンスをもらうと、ジャスティン・キーナンへのアシストを決め、この試合唯一となったポジティブなスタッツを記録する。しかしその後は、ターンオーバーとファウルを重ねただけで終わってしまった。