オチェフはボルティモア出身であり、ウィザーズの前身であるブレッツ時代は本拠地としていた地元チームだ。
「D.C.は実家にも近いし、ビラノバ大学からも30分ほどで行ける距離。家族や友達がウィザーズの試合を見に来ることができ、逆に自分がビラノバ大学の試合を見に行くこともできた。故郷の側でプレーできたことは素晴らしかった。茨城で育った選手が、ロボッツでプレーしているのと同じ感覚だね」
八村塁が加入したことで、多くの日本人がD.C.に訪れている。オススメの場所を聞けば、「RPMイタリアンというステーキハウスは最高だよ!」と即答してくれた。
ところで、好調だった頃のウィザーズでプレーしていたオチェフの目には、うだつが上がらない現在の戦いはどう映っているのだろうか?
「オールスタープレーヤーのジョンをケガで欠いている非常に厳しい状況だ。その中でも、ここ2シーズンのブラッド(ブラッドリー・ビール)のパフォーマンスはとても素晴らしい。また、ルーキーのハチムラもNBAで十分活躍できることを証明している。ジョンが戻って来れば、ブラッドとのバックコートは申し分なく、フロントコートにはハチムラがいる。そうなればウィザーズとして期待通りの活躍を見せてくれるはずさ」
ジョンがウィザーズに来たことでチームが変わった。あのときと同じように、復帰すればふたたびチームが変わる。そのための試練の時期であり、八村をはじめとした若い選手たちの成長がきっと期待している場所へ連れて行ってくれることだろう。信じているぞ! Go Wizards!!
part3「心地よく過ごしてプレーできる場所」に続く
文 泉誠一
写真 沼田侑悟
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