part2「バスケットのキャリアを磨くだけではなく、日本の文化を学びたい」より続く
ここ(川崎)で求められることはなんでもやる
子どものころ「本当に神様みたいにかっこよかった」と、マイケル・ジョーダンにあこがれたカルファニはその後コービー・ブライアントのプレーに魅了され、「今、世界でもっともすばらしいと思う選手」としてレブロン・ジェームズの名前を挙げた。そこで「これまでNBAを目指そうと考えたことはなかったのか?」と聞いてみると、「もちろんNBAに行きたいと思ったことはありました。なんといっても世界最高峰の舞台ですから」と答えた。が、その後に「でも…」という言葉が続く。「でも、僕はどちらかというとヨーロッパのバスケットスタイルが好きなんです。NBAが世界のトップだとしたら、ユーロリーグは世界で2番目のリーグでしょう。だから、僕の夢はNBAよりユーロリーグでプレーすることですね」
世界最高峰のNBA、世界2番目のユーロリーグ、それならば日本のBリーグは彼の目にどのように映っているのだろうか。
「お世辞ではなくて、Bリーグはすごくいいリーグだと思っています。個性があるチームが揃っていて、それぞれが自分たちの特徴を活かした戦い方をしようと努力している。一番いいと感じるのはリーグが持つ可能性ですね。バスケットのレベルもそれに伴う人気もこれからもっともっと上がっていくんじゃないでしょうか」
カルファニが『可能性』を感じたのは日本代表チームも同様だ。
「ラマスさんとは親しくしているので、彼が日本代表を率いてからは日本のチームに注目していました。ワールドカップ予選の試合も見ましたよ。始まったころは正直世界基準のレベルには達していないなという印象がありましたが、それから短期間で驚くほど成長しました。有力選手の新たな加入はあったにせよ、もともと伸びしろがあるチームだったんだと思います。速いテンポでプレーするし、判断力もある。特にディフェンスは誰か1人がいいディフェンダーというのではなく、チームとしていいディフェンスをしているのがいいです。それらのことがだんだん開花していったというか、試合をするごとにチームとして成熟していった印象を受けました」
自身がウルグアイ代表メンバーとして出場した南アメリカ予選ではワールドカップのチケットを逃しただけに「あの舞台に立てた日本がちょっとうらやましかった」と、笑いながら、チームメイトの篠山竜青とニック・ファジーカスを応援するために「ワールドカップの日本の試合は見ていました」と言う。「結果的に勝利はできませんでしたが、世界の強豪と戦った経験は大きいと思います。来年の東京オリンピックにつながる経験だったことは間違いないでしょう。見ていてたくさん刺激をもらいました」。来年6月に予定されている東京オリンピック世界最終予選では、ウルグアイ代表として最後の4枠を懸けて戦うカルファニの全力プレーが見られるかもしれない。