反省点ばかりではない。昨シーズンは、B2チャンピオンになったことも、大崎の成長を促進させている。「B2と言っても、プレーオフはすごく緊張感がある戦いでした。その中で、僕自身が落ち着いてプレーすることができ、そこはすごく自信になりました」と言うように、群馬クレインサンダーズとの3戦2先勝方式の決勝は、初戦に16点を挙げた。2戦目はアシストに徹し、いずれも20分以上コートに立って勝利に貢献している。
B2チャンピオンになったが、財務基準がクリアできずにB1ライセンスが交付されず、昇格には至らなかった。勝てば必ず昇格につながる約束はない状況だが、「もちろんB1で戦うために毎日練習をしています。『1日1日の練習から日々成長しよう』とコーチは口癖のように言っており、本当にその通りです。先を見ることも大事ですが、目の前の1日1日や、毎試合毎試合が大事なことだと思うので、日々成長を意識してこれからも取り組んでいきたいです」という大崎は、B1への準備期間と捉えて努力は続く。
B1でも戦える力を身につけることが必要
青山学院大学出身の大崎は、安藤周人(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)や柏倉哲平(アースフレンズ東京Z)がチームメイトだった。同じポジションの同級生には、筑波大学の生原秀将(横浜ビー・コルセアーズ)、東海大学は伊藤達哉(大阪エヴェッサ)と中山拓哉(秋田ノーザンハピネッツ)、専修大学出身の渡辺竜之佑(サンロッカーズ渋谷)などなどB1で活躍する選手が多い。
「正直、自分自身が最初からB1で戦えたかと言えば、そうではないと思っていました。しっかりステップを踏んで、B1でも戦える力をB2で身につけることが必要です」というビジョンを持ってプロ選手になった。勝久ヘッドコーチの下で、「すごく成長させてもらっています。来シーズンこそ、B1で戦えるようにまだまだ成長しなければいけないです」とステップアップに励む。「オフェンス面ではピック&ロールの後の読みであったり、緻密なポジショニングなど細かい部分や頭を使うバスケットを毎日毎日勉強しています」とB1での戦いを見据えていた。
大学日本一を決めるインカレがはじまった。大崎の母校である青山学院大学は前半こそ苦戦を強いられたが、後半はしっかりアジャストし、九州産業大学との初戦を95-77で勝利した。関東2位であり、優勝候補でもある後輩たちへメッセージをもらったので紹介しよう。
「僕が4年生のときに1年生だった選手たちが最上級生になり、当時から主力として活躍していました。このオフシーズンに練習を見に行きましたが、すごく堂々としていました。高校のトップレベルを経験してきた選手たちですし、今年のインカレは優勝のチャンスがあると思っているので応援しています」
文・写真 泉誠一