富山から川崎へ移籍した大塚裕土をマークしたのは葛原だった。「大塚選手のストロングポイントは、昨シーズンまで一緒にプレーしていたので分かっているつもりでしたが、相手の上手いセットプレーでやられてしまいました」と立ち上がりから気持ち良くシュートを決められてしまう。しかし後半は、「自分が守れなくてもしっかりローテーションをして、まわりの助けがあったおかげで守ることができました」と気持ちを切り替え、チームディフェンスに徹して改善する。「最後は決められてしまいましたが、それは大塚選手の勝負強さかなと思います」という二人はともに10点を挙げ、新たなライバル対決ははじまったばかりだ。
ジョシュの気持ちとともに戦えた結果
特別指定選手から数えて3年目の葛原は、先発を任されている。「今シーズンはスタートで出させてもらっている分、最初に流れをつかめるプレーやディフェンスをしっかりやり通すこと、自分に求められているのがアウトサイドシュートなのでそこもしっかり打ち切ることを、これからの試合で体現したいです」という葛原は、責任感と意識を高く持って臨んでいる。身長差で上回る川崎に対し、「菅澤選手が身体を張ったディフェンスをしてくれたおかげで、相手の外国籍選手にファウルトラブルを誘発することができました。みんなで戦った結果が相手のビッグラインナップに対しても、全てを補えることもできたと思っています」とチームとして自信を得る勝利となった。
スミスの復帰目処が立っておらず、富山にとっては今後も厳しい試合が続くことが予想される。それでも葛原は、「ジョシュがいないから負けたと言われることは、自分たちにとっても悔しいです。川崎戦にしっかり勝てたことは、ジョシュの気持ちとともに戦えた結果であり、自分たちにとっても自信になります。今週末の大阪(エヴェッサ)戦もしっかり勝ってチームとして流れに乗りたいですし、個人としても良い結果を出せるようにがんばっていきたいです」とすぐさまやってくるホームゲームに照準を合わせる。連勝するためにも、喰らいつけ。
文・写真 泉誠一