part2「『GMの存在自体がまだフワッとしているように感じます』(池内)」より続く
「僕はGMに年齢やキャリアは関係ないと思っています」(宮田)
平 バスケットボールファンの中には「GMというとなんかエラい人のイメージがあるけど、実際にはクラブの中ではどういうポジションにいるのだろう?」と思っている人も多いと思うんですよ。実際そこのところはどうなんですか?
宮田 エラい人っぽいと思うのは、たぶん人事部長みたいなイメージを持っているからじゃないですかね。まあ普通に考えたらヘッドコーチの上にいるチームの責任者だと思うんですけど、目線を変えれば、戦略的なことに関してはヘッドコーチと契約しているわけですから、そのヘッドコーチを信頼してその後ろにいる存在かなあと思っています。案件によっても違いますが、なんとなーく会社とチームの間にいてどれだけ円滑にコミュニケーションを取っていけるか、そこがGMの立ち位置だと理解しています。
池内 僕も同じですね。GMの仕事をひとことで言えば全体のマネージメントということになるんでしょうが、宮田さんがおっしゃったように戦略面はヘッドコーチが担っているわけで、どういう選手を獲る獲らないの話もヘッドコーチが主体となります。場面によって権限もちょっと変わってきますし、そういうことを含め会社とチームの間に立つのが自分の仕事だと思っています。他のチームのGMには元ヘッドコーチだった方とか元選手だった方とかがいらっしゃいますが、僕にはそういう“元”がありません。そういった意味では特殊なのかもしれませんが、選手目線に偏らず、経営目線に偏らず、バランスを取っていくのにはそれも悪くないかなあと、そこはいい方に考えるようにしてます(笑)
平 池内さんは確かまだ30歳ですよね。自分より年上の選手もいる中で、GMとして選手との距離感はどのような感じなのでしょう?
池内 今言ったように僕は元バスケット選手ではありませんし、バスケットの経歴もありませんから、正直、最初は選手たちにどう近づいていいのかわからないところもありました。けど、そこはあんまり考えすぎないようにして、今は会社の人間ではあるけれど選手に近い存在というか、そういう存在でありたいと思っています。GMというと選手たちも構えてしまったり、ちょっと警戒してしまったりするところもあるかもしれませんが、僕の場合は年齢も近いし気軽に話しかけてもらえるようになりたいですね。かといってなあなあになっては関係性が崩れてしまうので、ほどよい距離感をもって接するように心がけています。
平 そこにいくと宮田さんは選手も兼ねているので警戒されないGMですよね。
宮田 僕は何でも屋のGMですから(笑)。ヘッドコーチや選手からの相談や要望は毎日のようにあります。細かいことで言えばヘッドコーチからは選手の取り組み方とかコンディションの問題とか、ヘッドコーチであっても契約内容までは知りませんから(その選手に)どこまで求めていいのかとか。練習の合間でもそういう話は常にしてますね。僕がフロントの仕事もやっているからか選手たちからはイベントが重なることで身体がきついとか、スケジュール面での調整を考えてほしいとか、こういうトレーニング機器を入れてほしいとか。もうそういった相談や要望は毎日あります。GMというより「なんかあったら宮田に言っとけ」みたいになってるんじゃないですかねぇ。