part1「『自分がGMに向いていると思ったことは1度もありません』(宮田)」より続く
「GMの存在自体がまだフワッとしているように感じます」(池内)
平 チームの人事権についてお聞きしたいのですが、NBAのGMはそれぞれ人事権を持っているじゃないですか。Bリーグを見ると名前はGMでもそこまで強力な人事権を持った人は少ないと思うんですが。
宮田 うちは逆にそこだけは全権があります。ただ基本的に人を入れ替えて勝つというより伸びしろのある選手を伸ばして勝つというスタンスなので、人事権を発動するときがないんですけど(笑)
池内 うちの場合は今回のチーム編成のときもそうですが、上にお伺いを立てて「これでいいですか?」というより「こうなりました」と報告する感じですね。もちろんその過程でヘッドコーチとはいろいろ話して確認を取り合いますが。
平 選手の評価はヘッドコーチの意見を参考にするわけですよね。
宮田 はい、うちの場合はヘッドコーチの評価を優先します。と言っても今までコーチ陣の評価が自分の持っているものと大きくズレていたことはないんですよ。ただ気づきはもらえますね。スタッツはもちろん見ますけど、僕が大事にしているのはバスケに取り組む姿勢や前年に比べて成長できているかなどの点なので、そこはコーチの意見も聞きながら一定の評価をするようにしています。
平 評価に関して結構難しいと感じるのは外国籍選手の獲得で、やっぱり未知数の部分もあるし、ことばも通じないし、人となりもはっきりわからないし、そこはエージェントが言うこととスタッツを参考にするんでしょうが、実際にはどうやって決定しているんですか?
宮田 エクセレンスに今いる2人の外国籍選手は彼らが新卒と2年目のときに獲得した若い選手なんですが、まず最初にエージェントと話をして興味が湧いたら「人柄を知りたいので本人とコンタクトを取らせてください」とお願いします。それだけではなく「エクセレンスはこういうコンセプトを大事にしているチームなので、できれば大学時代のコーチとコーチ以外のスタッフともコンタクトしたい」ということもお願いします。まあコーチやスタッフはいいことしか言わないだろうなっていうのはありますけど、それでも話をすることで伝わってくるものはある。外国籍の選手ってキャラクターとか異なる文化、異なる環境にどれぐらい対応できるかっていうことで出せる力が違ってくるところがあるじゃないですか。バスケットの上手い下手は試合を見ればたいていわかるので、それをクリアしたあとは(その選手の)人間性を知る作業に時間をかけます。そのせいかうちの外国籍選手は個人的スタッツだけでは見えない部分、日本人選手の力を引き出してくれる力というか、そういう貢献度がめちゃくちゃ高いんですよ。
池内 ジェッツの場合はこちらからどういう選手がほしいというのをエージェントさんに伝えて、密にコミュニケーションを取りながら検討していく形ですね。今シーズンはニック・メイヨという若手の選手を獲ったんですけど、ラスベガスのサマーリーグまで行って実際にプレーを見て決めました。