今シーズンB2リーグに返り咲いた東京エクセレンスの宮田諭さんは41歳で現役選手も兼ねる異色のGM。片やB1リーグをリードする千葉ジェッツの池内勇太さんは入社2年目でこの職を任された若きGM。公私に渡って2人をよく知る平将貴さん(ライムズ株式会社代表取締役社長)に司会進行にお願いし、BリーグにおけるGMの役割とそれぞれが目指すものについて存分に語ってもらった。
「自分がGMに向いていると思ったことは1度もありません」(宮田)
平 一言でGMと言っても2人はキャリアやクラブでの立ち位置など異なる点も多いと思います。まずは池内さんから千葉ジェッツのGMに就任した経緯を聞かせてもらえますか?
池内 僕はもともと一般企業に勤めていたんですけど、大学時代はサークルでバスケをやっていて、『バスケってなかなか野球やサッカーに続くスポーツにならならいなあ』と、ずっと思っていたんです。それで、Bリーグが始まるのを機に思い切ってこの世界に飛び込みました。西宮ストークスでGMをやらせていただいたあと、千葉ジェッツの島田代表(現島田慎二会長)から声をかけてもらって。去年の8月の終わりごろかな。それをきっかけにジェッツのフロント業務とGMのアシスタントを担当するようになり、今シーズンGMに就任したという流れです。
平 それは島田代表の指名?
池内 そうですね。指名というか指令というか。
平 宮田さんの場合は選手兼任のGMとしてもう長いですよね。
宮田 もう7年になります。7年前にエクセレンスがNBDLに参戦したとき、それは今も変わらないですが経営面やチームを作る上での苦労がいろいろあって、その中で自分がどうやってクラブに貢献できるか考えたんですね。最初にできるのは選手としての貢献、次は自分のキャリアの中で多少人とのつながりもあったので、それを生かせるならGMも引き受けようと。だからGM就任はたまたまなんですよ。正直、自分がGMをやりたいと思ったことは1度もないし、自分がGMに向いていると思ったこともない。GMだからこういうチームを作りたいとか、こういう強化方針で行こうとか、そういうのも全然ない。
平 でも、7年続けてるわけで(笑)
宮田 そう、7年やっちゃってるわけで(笑)。自分の中にあるのは、エクセレンスの選手たち、応援してくださる人たち、関わってくれる皆さんをどうやったら幸せにできるかという漠然としたテーマだけで、プロフェッショナルなチームとしてビジネスが絡めば脱却しなくちゃなあと思いつつ7年経ちました。他のチームのGMとはやり方も全く違うし、エクセレンスというチームだからこそ通用しているんだと思いますね。
平 エクセレンスにはそういうファミリー感がありますよね。
宮田 ファミリー感強すぎ(笑)
平 ジェッツも島田さんが築いてきたファミリー感がめちゃくちゃあるでしょ?
池内 そうですね。島田さんは選手にすごくやさしい方ですから。今まではその島田さんを頂点としたトップダウンの形というか、俺について来いというスタイルでやってきたので、これからはそういうところのバランスをうまく取りながらやっていきたいというのはあります。自分が入ったから何かを抜本的に変えましょうというより、今あるいいものを踏襲しながらさらにレベルアップして行こうという気持ちです。そのためにももっとクリエーティブに動いていかなきゃだめだと思っています。