── スゥープスの選手は全員仕事を持っていると聞きましたが。
岩松 はい、僕も紹介していただいたスポンサーの岐阜ダイハツさんに9月から務めることが決まりました。先輩たちと同様に昼は仕事、夜は練習という毎日になると思います。こちらに来てから練習は1度も休んだことはなくて、オフの日も1人で練習しています。練習できることが幸せというか、バスケができることがめちゃめちゃ幸せです。
── 岐阜の暮らしには慣れましたか?
岩松 慣れましたね。今は1人でアパートを借りて暮らしているんですが、岐阜は都会だし、長良川とか金華山とか身近に自然を感じることもできます。ほんとに暮らしやすいいいところですよ。あっ、それから食べ物も美味しい!今は“岐阜タンメン”にめちゃハマッています(笑)。名古屋から快速で20分と交通の便もいいですし、ホームゲームにはたくさんの人に来ていただきたいです。そのときはぜひ岐阜タンメンを食べてください(笑)
── プレシーズンマッチを戦った感想は?
岩松 プレシーズンマッチは、想像していた以上にお客さんが来てくれて熱い応援をしてくださったことに感激しました。お客さんがいる中でプレーするのは大学のインカレ以来だったんですが、本当に楽しかったし、皆さんの声援を聞きながらこれがプロなんだなと思いました。応援してくれる皆さんの期待に応えていかなければならないのはもちろんですが、今はその責任と同時にものすごくやりがいを感じています。
── バスケットを語る岩松さんは本当に楽しそうですね。
岩松 僕は子どものころから本当にバスケットが大好きで、いつも全力で取り組んでいて中学では全中(全国中学校バスケットボール大会)にも行ったし、高校ではキャプテンも務めました。でも、大学に入って壁に突き当たったんですね。有力選手が集まるチームの中では頑張っても頑張っても試合に出られなくて、今思ってもあのときが一番辛かったです。けど、どんだけ辛くてもバスケを辞めたいと思ったことは一度もないんですよ。辛くても辛くてもバスケが好きで、4年生になってからは人生を懸けるぐらいの気持ちで毎日頑張っていました。そのおかげでやっと試合に使ってもらえるようになったんですね。努力は裏切らないと実感したのはあのときです。3年までは本当に苦しかったけど、それが4年の自分を作ってくれたと思っているし、そのときの自分が今の自分につながっていると思っています。バスケが無いとちょっとおかしくなるぐらい僕はバスケが好きです(笑)
── ニューフェイスとは言え、今シーズンのスゥープスを牽引する存在として期待されていると思います。最後にシーズンに懸ける意気込みを聞かせてください。
岩松 プロとして戦う初めてのシーズンなので正直まだわからないこともありますが、それは試合を通して学び、成長していきたいと思っています。スゥープスの武器であるディフェンスは自分の武器でもあるので、それを試合で存分に出し切れるよう頑張りたいですね。チームも自分も必ずステップアップしていくので、どうか応援よろしくお願いします。
プロバスケットボールクラブをつくろう!略して「バスつく!」岐阜スゥープス
これまでの10年、これからの10年
part1「日本一のアマチュアクラブから、岐阜が誇れるプロクラブへ」(田中昌寛選手)
part2「志を高く、バスケットに取り組む姿勢はどこにも負けない」(田中昌寛選手)
part3「2年目のシーズンを牽引する期待のニューフェイス」(岩松永太郎選手)
文 松原貴実
写真 安井麻実