「今は(選手登録枠が)13名しか取れないので、もう少し増えれば自ずと高卒者も含めた学生を獲得できるかもしれません。その分、お金が必要にはなってくるので難しいのかもしれませんが…。もう少し選手登録枠を増やしてくれれば、学生を率先して受け入れるような選択肢も出てくると思います。ただ登録しても試合に出せなければ変わらないので、何か良い方法がないか我々も考えなければいけないです」
リーグ戦中に若手選手や出場機会がない選手が試合をする機会を作るために、他クラブとの交流を模索していた時期もあった。「でも、現在の登録数では試合に出ていないのが3〜4人となるためにゲームが成立しません。人数が増えれば、そういうことができると思います。若い選手にチャンスを与えられるシステムは必要です」と北GMも育成問題解消に向けて模索している。
チーム直下の育成機関であるユースにも川崎が目指すスタイルを踏襲し、一貫性を持った強化育成を目指していく。現在、ユース運営は別部署が担当しており、「チームとしてどう関わるかはこれから検討していくことですが、率先して協力をしていきたいと思っています。トップチームの選手への憧れが絶対にあり、だからこそ川崎のユースに入りたいと思うはずです。トップチームにつながる夢を、もう少し身近に感じられるような体制にしたいです。子どもたちが将来は川崎でプレーしたいという夢や目標を持つとともに、プロ選手たち自身も夢を与えることがどれだけ大切かを、ユースを通じて分かってくれると思います」と相乗効果に期待していた。
「子どもたちの憧れとして、また地域の皆さんから応援したいと思われる選手であり、人間性であって欲しいです」と北GMはチーム教育も担っている。選手として、ヘッドコーチとして24年間川崎一筋で培った経験を注入することも、“川崎らしさ“を作るためには不可欠だ。
part3へ続く「“ブレイブレッド”の血が流れるフランチャイズプレーヤー」
文 泉誠一
写真 安井麻実