Bリーグの将来的なクラブライセンスの一つであるユースの話
竹田 早く全部のクラブでもユースチームを作りたいけど、あまり話題になってないよね。
伊藤 ユースとドラフトって両立できるもの?
竹田 それは無理だよ。例えば他のユースで育てた選手をドラフトできたら、選手をお金で買えちゃうじゃん。
網野 ヨーロッパはドラフトがなく、ユースの選手がそのままトップチームに上がってる。
伊藤 今の戦力格差や今後のクラブ運営を考えれば、移籍金がカギになるんじゃないかな。
竹田 サッカーは移籍金で成り立ってるからね。
網野 でも、今のルールでは仮に育成型のチームを作ったとしてもB1同士で選手を売れないから、育てた後にお金があるチームに持っていかれてしまう。今回、須田が(その後に古川孝敏も)琉球に移籍したけど、栃木にしてみれば選手を取られただけで何も残らない。移籍金があれば、クラブは選手を育成して運営を成り立たせながら選手を補強できるようにもなると思うし、そういうクラブが出てきても良い。選手が商品なわけだから。
伊藤 ただ、ユースになると子どもが商品になってしまう。それが日本の社会に受けいれられるのかは疑問。
── ユースができたら、まずは自分たちのクラブのスタイルに沿った即戦力を作ることが第一。サッカーの場合、移籍金はクラブ間だけではなく、育てた環境までお金が下りる仕組み。
伊藤 今は選手がいなくなって何も残らないからバランスが悪くなってしまってる。移籍金から育てたグラスルーツにもお金が行き渡るようになれば、学校やスクールにも少なからず還元できたり、コーチの評価にもつながる。今はそれがないから、中学や高校のコーチたちは目先の勝利だけを考えてしまうのかも。
── 中学生や高校生はまだ伸びしろでしかない。
伊藤 でも、コーチにとっては今なんでしょうね。
竹田 いやぁ、こんな議論を1年前にはするとも思わなかったね。
── あれ? この3人はみんな高校まで無名だったじゃん。
伊藤 高1の頃はカラオケに行ってた。みんなは16歳の頃は何してた?
竹田 俺はベンチでラッパを吹いていた。
網野 僕はバスケを始めたばかり。ありがたいことに試合には出られたけど、関東大会にすら行ったことがない。
竹田 俺もだ。
伊藤 俺もない。今、小学生がなりたい職業にプロスポーツ選手という回答が結構多く、野球、サッカーとともにプロバスケ選手になりたいという子も結構いた。
網野 ユメ先生に行ったら、そう言ってくれる子は増えていると実感した。
伊藤 その道筋を見せられるようになったのがBリーグ。それにユースができればさらに濃くなっていくと思う。
── 子どもたちに夢を見させるためにも年俸を公表する義務があるよね?
網野 確かにそれはひとつある。
竹田 ムチャクチャだよね、この雑誌は! もうこれ(レコーダー)止めて良いよね。ここからオフレコトークにしよう!
(そして夜は更けていく…)
飲んで熱く語ったバスケLOVE −こぼれ話−
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文 泉誠一
写真 安井麻実
協力/SHIBAURA GRILL
東京都港区芝浦2丁目15-6
http://s-grill.com/