開幕当初は3Pシュート成功率でトップに立っていた。Bリーグ初のオールスターゲームでダンク王に輝きながら、さらに3Pシュートも確率良く決めるオールラウンダーである。3戦目の新潟戦では7本全てを成功させている。だが、昨シーズンのスタッツを見るとたった56本(12本成功/21・4%)しか3Pシュートを打っていない。今シーズンは交流戦を終えた3月19日時点で、すでに102本(38本成功/37・3%)と倍近く放っている。
「昨シーズンとは違い、4アウト1インというシステムを多用しているためにアウトサイドでのプレーが多くなった」ことで3Pシュートを打つ機会が急増した。ヘッドコーチがBTテーブスに代わり、システムが変わったことも要因のひとつ。
同じようなことが富山でもあった。来日1年目の2011-2012シーズン、3Pシュートは62/192本だった。その翌シーズンは17/67本に激減している。「富山での1年目はコーチがどんどんシュートを打つように言ってくれました。それは今も同じです」
3Pシュート本数が減った富山での2年目は、逆に得点が増えた。大きな変化を見せた今シーズンも、平均得点は昨シーズンと遜色ない13点台をキープしている。
「試合の状況やその時の感触を見ながら臨機応変にプレーは変えています。例えば、最初のシュートが何本か続けて入らなければ、今度はインサイドにアタックしたり、ポストアップを狙います。もちろんシュートタッチが良ければ積極的に3Pシュートを打ちますし、そこで決めることでディフェンスも外に出てきます。そうなれば今度はアタックしやすい状況が生まれます」
豪快なダンクも、チームを勢いづける3Pシュートも、オフェンスの選択肢の一つでしかない。コーチの指示に従いながら、状況に応じてプレースタイルを変える。どのシュートもブラウンにとっては、チームを勝利に導くための一本のシュートに変わりはない。
最後に、バスケをしている子どもたちへ、シュートを決めるためのアドバイスを伺った。
「自分が練習の中でシュートを打つ状況をしっかりと作り出せるように動くことがまずは大事。試合になったらその練習を信じて、自信を持って打てば必ず入る!」
ピッチャーを通じて培った自信を持つこと、クレイ・トンプソンのプレーから学んだ試合を想定した準備、いずれのアドバイスも普段からブラウンが心がけていることだった。つまり、このアドバイスを守って練習すれば、ブラウンのような得点を獲れる選手に近づけるゾ。
文・写真 泉誠一