── 先輩たちは「セクシー!」とか言ってからかいませんか?
まあ、それはないことはないですけど、そこは可愛がってもらってるってことで(笑)
── 盛實さんは大学3年で特別指定選手になったわけですが、1歳下の岡田侑大選手は拓殖大を中退してプロになりました。今ではシーホース三河のスタメンとしてチームの得点源にもなっています。昨年まで同じ関東大学リーグで戦っていた彼の活躍についてはどんな感想を持っていますか?
いやぁすごいですよね。スタートで出て20点とか取ってますから、ほんとにすごいなあと思います。大学で戦っているころから得点能力の高さはわかっていましたけどプロになってすぐチームの中心選手になって、ああやって結果を出しているのはさすがだと思いますね。
── 「俺も負けられねー」と思いますか?
うーん、負けられねーとか、そういうのはあんまりないですね。僕はわりと自分は自分という感じで、他の人と比べてどうこう思うことはないんです。他の人がどうであっても自分は自分、自分は自分らしく頑張ればいいと思っているので。
── クール!(笑)。そういえば大学の試合を見ていてもコート上の盛實さんにはクールな印象があります。どんな状況でもあまりむきにならないというか、冷静というか。
そうですね。プレーしていてむきになって我を忘れるってことはないかもしれません。あんまり自分のプレーがひどいときはイラッとしますけど。あと、審判がファウルの笛を吹いてくれなかったときに「えっ?」となるぐらいで(笑)。基本的には全体を見てコールしたり、わりと落ち着いていると思います。上級生になって周りに目を配らなきゃいけないという意識もありますし、今年はキャプテンを任されることになったので、全体を見る冷静さはより必要になると思っています。
── 学生最後のシーズンの前にプロを経験したことで得たもの、また、1番印象に残った試合を教えてください。
得たものはやはり自信だと思います。さっきも言ったように入ったときは自分が通用するかも全然わからなかったんですけど、いざ試合に出たらシュートとか通用する部分があったのと、大事な場面でも使ってもらえたことは自信になりました。1番印象に残っているのは、ほぼ自分のミスで敗れたと言っていい千葉ジェッツ戦(3月27日)です。いい感じで4点差まで詰めて、残り1分でうちの攻撃という場面で、僕のパスがスティールされたことで勝負が決まってしまいました。あの場面でうちが1本決めていれば勝てるチャンスがあっただけに、あれはさすがにへこみました。パスじゃなくて、自分が行けばよかったんじゃないかとか、いろいろ考えてしまって。だから、苦い思い出ですけど、あの試合が1番心に残っています。
── でも、考えてみれば特別指定選手でありながら、試合の勝負どころでコートに出ていることがすごいですね。緊迫した場面でちょっと臆するようなことはないのですか?
それはないです。どんな場面であろうとコートに出たら自分ができることを思いっきりやるだけだと考えているので。ビハインドを背負っていてもまだまだイケる、イケると思うタイプだし、そのへんは前向きな性格かな(笑)。ミスして落ち込んでも一晩寝れば忘れるのでネガティブな気持ちを引きずることはまずないです。
── これからどんな選手を目指すのか、また、今後の目標はどんなことか聞かせてください。
僕はバスケが大好きで、まずは自分がバスケを楽しんでいきたいと思っているので、そのバスケの楽しさを見ている人にも伝えられるような選手になりたいです。サンロッカーズに入って、びっくりするほどたくさんのファンの方に応援していただきました。すごくうれしくて、自分は応援してくれる人たちに楽しんでもらえるプレーをしたいと改めて思いました。目標は小さなものから大きなものまでいろいろありますが、とりあえず今は早くケガを治すことですかね。すぐに大学のトーナメントが始まるのでそれまでにはなんとか間に合わせたいです。今年は学生最後の年なのでタイトルも狙ってますし、そのためにもサンロッカーズで経験したことを生かせたらと思っています。渋谷のファンの皆さんにも応援していただけたらうれしいですね。大学の試合にもぜひ足を運んでください。応援するのはもちろん専修大で!(笑)
part1【「中2のときはマネジャーもやってました」】
part2【「能力任せではない“巧さ”がある選手が好きです」】
文 松原貴実
写真 安井麻実