── プロとして生き残るためにもセルフプロデュースが必要であり、そのような活動こそ自身を知ってもらうチャンスだと思います。
1億円プレーヤーや選手の平均年俸がサッカーや野球に追いつくためにもスポンサーに注目され、会場にお客さんが来ることではじめて宣伝効果としての価値が生まれます。B1は5千人アリーナがライセンス基準になっていますが、1万人になればもっとその価値は高まります。
だからこそ、バスケだけをしているだけではプロとしてはダメです。3年が経ち、今はリーグやクラブのスタッフの方々ががんばってくれて土台を築いてくれたことで選手の年俸も上がっている状況です。今後は選手自身がその価値を高めて変えていかなければ、もしかすると今が打ち止め状態かもしれません。オリンピックに向かって盛り上がっていますが、その後にこの熱が終わってしまう恐れは十分あります。地道なことをオフシーズンだけではなく、シーズン中から積極的に仕掛けていく必要があると考えています。今は6:4くらい、バスケ以外のことも考えていかなければいけないのかなと思ってます。
今のようにバスケ熱が高まっているからこそ、現役選手自身が動いて欲しいです。引退するとただのおじちゃんになってしまいますからね(笑)。それこそ(青木)康平さん(※bjリーグを代表したポイントガード)の現役時代はスゴかったですが、今のBリーグファンにしてみれば「誰?」ってなってしまうんだと思います。親御さんや先生だけが喜び、この選手はスゴかったと言われても子どもたちにとってはピンと来ない。子どもたちの目の輝きは現役選手の方が絶対に反応がすごく、その影響力が今出てきています。男子日本代表がワールドカップ出場を決めて帰国した時の成田空港の盛り上がりはすごく感動しました。バスケもここまでになったか、と。最初は協会のサクラじゃないかと疑ったほどです(笑)。人気がある今こそ、選手自身が考えて行動に移すべきだと思います。
── 選手自身が行動に移すことで1億円プレーヤーになるための素地を作るチャンスでもあります。
そうなんです。年俸7千万円+スポンサー3千万円=1億円プレーヤーは現実的に作れると思います。それだけ稼ぐためにも、今こそ自ら動かなければ始まりません。
── 渡邊雄太選手のいるNBAでは、シーズン中にも様々なイベントや社会貢献活動を積極的に行う環境があり、それが仕事のひとつでもあることを理解していると感じます。
そのような環境に置かれて、イベントなどに参加することが当たり前となれば普通になるわけです。自分の役割と思ってくれれば良いのですが、現状はまだフロントがお願いしたことに対して、選手は重い腰を嫌々上げている感じも否めません。
── その活動が自分の価値を高めることに直結することが、まだ認識できていないということでしょうか?
そう思いますね。逆にもっとやった方が良い、やって当たり前というスタンスが必要です。それがシーズン中の観客動員やBリーグの盛り上がりにつながっていきます。
文・試合写真 バスケットボールスピリッツ編集部
写真 吉田宗彦
MY BEST5+1 サンロッカーズ渋谷 清水太志郎 #1
世代を超えた最強日本代表(前編)「世界を知るレジェンドたち」
世代を超えた最強日本代表(後編)「目指すは教科書のようなバスケットスタイルだが…!?」