── 3年生のウインターカップで3位になり、盛實さん自身も大会ベスト5に選ばれました。能代の皆さんの期待に応えることができましね。
そうですね。恩返しじゃないですけど、3位という結果が出せたのはよかったです。でも、自分のベスト5はたまたまなんですよ。うちには毎試合、毎試合点を取ってくれるエースみたいなヤツがいたんですけど、最後の3位決定戦でたまたま僕の調子がよかったんです。本来ならば自分じゃなくて、毎試合頑張ってくれたそいつがもらう賞だったと今でも思っています。
── 中学のとき佐藤監督の目に留まったのも『たまたま』、ウインターカップのベスト5も『たまたま』、たまたまが多いです(笑)。少なくとも3年生になってからの躍進ぶりはたまたまじゃなかったと思いますが。
いや、本当に僕はたまたまラッキーなとこがあったんですよ(笑)。まあ3年になってようやくというか、やっとというか、チームに少しでも貢献できるようになったことはうれしかったです。3年間にはいろいろなことがありましたけど、両親はいつも秋田まで車で応援に来てくれたし、ありがたかったです。そのほかにも感謝することがいっぱいあった3年間でした。
── その後、専修大に進学したわけですが、どんな経緯だったのでしょう。
これも単純に専修大が声をかけてくれたからです。他にも誘ってくださった大学はあったんですが、関東1部のチームは専修だけだったこともあり迷うことなく決めました。前にも言いましたが、僕は自分を必要としているチームに行きたいというのがあったので。
── 中学、高校とは違って下級生から主力としてコートに立ちましたね。2年生ときのリーグ戦は準優勝して個人的には敢闘賞を受賞しました。2年生で敢闘賞というのはあまりないことです。
あれは使ってもらえたからいただけた賞だと思っています。周りが僕を生かしてくれたおかげというか。
── 『モリザネセクシー』とか『和製ハーデン』と呼ばれるようになったのも2年生あたりからですね。
多分そうだと思います。ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)は大好きな選手なので、光栄というか、ありがたいというか(笑)。NBAの試合はよく見ます。特に好きな選手が出る試合は積極的に見ますね。ハーデンのプレーは“巧さ”があるから好きです。スピードがすごくあるわけじゃないし、ばんばんダンクするわけじゃない。けど、なんていうか、そういう能力任せじゃないところが好きなんですね。見ていて真似したいなと思うところもたくさんあって結構参考にしています。
── いつか自分も海外でプレーしたいと思うことはありますか?
うーん、そうなったらいいなあと思うことはありますけど、今は全然実力が足りないですから。まずは力をつけてからですね。まだまだこれからです。
part3に続く
【「プロの一員としてプレーして、得たものは“自信”です」】
文 松原貴実
写真 安井麻実