「うちのチームを見ただけでも巧い人はいっぱいいて、その中で自分が貢献できるのは何かと考えたとき、やっぱりシュートだけじゃなく、ディフェンスとかルーズボールとかリバウンドとか自分にできることを精一杯やるしかないなと思いました。精一杯というのは身体を張って泥臭く…という意味です。自分はディフェンスが巧いわけじゃないんですが、フィジカルは強い方だと思っているので、相手のシューターに付いたときはファウルになっても止めてやるぐらいの気持ちでぶつかっていく。頭がいいとは言えないけれど、その分怖いもの知らずだからどんな場面でもガンガン積極的にいく。全力で走る。ドリブルも巧くはないけど『身体を使えばドライブももっと行ける』と大野さん(篤史ヘッドコーチ)から言われているので、そこも頑張りどころの1つだと思っています」
『ディフェンスが巧いわけじゃない』『頭がいいとは言えない』『ドリブルも巧くはない』 ── 話の中には何かと否定的な言葉が目立つ。
「でも、これ本当なんです。他のルーキーより自分はいろんな面で劣っています。これまで教わってこなかったことがたくさんあるんですよ。それをこれから1つずつ身に付けていかなければならないけれど、中でも今1番欲しいのは『判断力』です。シュートセレクションを含め、その場で最良のプレーを見極め、実行する判断力を身に付けたいです」
「劣っている」と言いながら、そんな自分を卑下する様子はない。「プライド」は高慢とは違うし、「野心」と向上心もまた別のものだ。自分の『現在地』をありのままに受け入れ、そこから階段を上っていこうと思う。
「自分はシュートが好きで、やっぱりシュートだけには自信を持っているので、そこは伸ばしていきたいです。勝負どころの1本を決められる選手、接戦になったときあいつを使おうと思ってもらえる選手、そんな選手になれるよう頑張りたいです」
答えが出るのは今でなくていい。
「少し時間はかかってもいつか自分の目指す場所に到達できればいいかなと思っています」
最後に口した一言は、原らしい『闘志』の表れだったような気がする。
文 松原貴実
写真 バスケットボールスピリッツ編集部
三遠ネオフェニックス 渡邊翔太、千葉ジェッツ 原修太、
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B元年ルーキーたちの現在地 part2