※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2016年10月末発行vol.2からの転載
まるでボールに対する特別な嗅覚が備わっているかのごとく相手の動きを読み、翻弄する。「予測不能」と言われ、大学のコートを沸かせたベンドラメ礼生がBリーグの舞台に立った。どんなプレーが飛び出すのか。見る者の胸を踊らせる変幻自在のルーキーに注目したい。
── Bリーグ開幕の年にルーキーとしてデビューすることになりました。そのことに何か特別な想いはありますか?
あります。このタイミングでプロ選手としてのスタートを切れたことはとてもラッキーだと思っています。9月22日の開幕戦(アルバルク東京 vs 琉球ゴールデンキングス)はテレビで見ていたんですが、華やかで、カッコよくて、すごくいいなあと思いました。開幕戦の演出は特別だったかもしれませんが、ああいうワクワクする雰囲気はこれからも続けていかなければと思っています。
── では実際にBリーグの舞台に立った感想を聞かせてください。
去年はアーリーエントリー選手としてプレーしましたが、Bリーグになった今年(2016年)はやっぱりお客さんの数も一気に増えて熱気が違ってきた感じがします。初戦は多少緊張しましたが、ガチガチになることはありませんでした。プレータイムも増えたし、その中で自分の良いところも少しは出せている気はします。
── 先発出場も経験しましたね。
はい。(BT)テーブスヘッドコーチは前から「対戦相手によって先発メンバーは変える」とおっしゃっていたので、自分もいつ声がかかってもいいように準備はしていました。スタメンは入りが大事なのでそこは意識して、自分の持ち味である積極的なプレーを最初から出していきたいと思っていました。けれど、結果的に積極性が出過ぎたというか、気持ちが先走ってシュートセレクションも良くなかったです。ガードとして強気なのはいいけれど、攻めるタイミングだったり、流れを読むことだったり、そういうことはこれからもっと身に付けていかなければならないと実感しました。
── 今シーズンのサンロッカーズ渋谷は長年大黒柱としてチームを支えてきた竹内譲次選手(現アルバルク東京)やベテランガードの木下博之選手(現大阪エヴェッサ)が抜け、チームが様変わりした印象があります。
経験値の高い選手が抜けたこともそうですが、全体にサイズが小さくなって去年とは戦い方そのものが違ってきました。今年はよりスピーディーで、アウトサイドシュートを武器とするチームを目指しています。そのスタイルは自分に合っていると思うし、今は伸び伸びとプレーできています。心がけているのはオフェンス面だったら縦のドライブで相手のディフェンスを割っていくこと。たとえそれがシュートまで持っていけなくても、相手のディフェンスを崩してパスをさばくというのはアウトサイドシュートを武器にしている今年のチームにとって必要な動きになるはずです。ディフェンス面だったら積極的にプレッシャーをかけることで後ろにいる4人のメンバーを勢いづけること。とにかくコートに出たらアグレッシブにプレーすることを考えています。今、プレーすることがものすごく楽しくて、しんどいと思ったことはありません。