そのことばどおりシーズンが始まり試合を重ねるうちに3番ポジションで戦う自分に手応えを感じるようになってきた。
「スタッツとか数字とか、それはそれで大切なものですが、自分はそれだけではない貢献度も大切にしています。たとえば1月にアウェーで戦ったアルバルク東京との2連戦(1勝1敗)で、僕は得点面では貢献できなかったけど、リバウンドはしっかり絡めたと思うんですね。数字には表れてないけど、自分の仕事ができたような気がします」
さらに翌週の千葉ジェッツ戦では“数字に表れる”活躍も見せる。11分15秒出場し、2本の3ポイントシュートを含め11得点をマーク。試合は敗戦となったが、これもまた橋本の自信につながったはずだ。
「プレータイムをもらえれば、それによって課題も見つかります。僕の場合まだ試合中にあわてちゃうことがあるので周りともっとコミュニケーションを取りながら落ち着いてプレーすることが目下の課題です。あとはそうですね、ブレックスはディフェンスから入るチームだと思っているので、そこで見劣りしないプレーをすること。もらったプレータイムに見合ったというか、もらった時間を裏切らない仕事をして勝利に貢献したいです」
リーグも終盤にさしかかり、移籍加入した比江島慎が本格的に始動、昨シーズンの主力である田臥勇太や喜多川修平がケガから復帰する目途も立ってきた。選手層が厚くなったチームの中でどう存在感を示していくか、それも今後の課題の1つとなりそうだ。「それも含め、橋本のさらなる成長に期待しています」と言うのは安齋ヘッドコーチ。「あの身長であれだけのシュート力があるのですから将来性は大、まだまだ伸びますよ。栃木県出身ですから、文字通り栃木ブレックスを代表する選手になってほしい。そう願っている地元ファンも多いと思います」
そのためには「日々の練習あるのみ」と、本人。「ブレックスは自分が成長できるチームだと思っています。たとえば公輔さんのプレーを見ていても見習うとこだらけ。自分の力のなさを感じますが、そんな自分にいつも声をかけてアドバイスをしてくれるのはライアン。本当にありがたい環境の中で自分はプレーしています」
栃木で生まれ、栃木で育ち、栃木でプレーする。
「目標はもちろんリーグ優勝です。その優勝に貢献したい。貢献できる選手になることが自分自身の目標です」
文 松原貴実
写真 安井麻実
part1【「スポーツは何をやっても全然ダメな子どもでした」】
part2【ケガに泣いた大学時代「それでも得たものはたくさんありました」】