キャリアハイのスタッツを記録し、好調なスタートを切った遠藤祐亮選手
本日10月19日に29歳の誕生日を迎えた#9遠藤祐亮選手は、安定感が増しはじめている。
「喜多川(修平)さんがケガしてしまったので、得点を獲っていかなければならないと今シーズンは強く感じています」
開幕直前に大きな怪我に見舞われた仲間のため、チームを勝利に導くため、これまで以上に強い責任を持ってコートに立つ遠藤選手。プロとなり、栃木ブレックスの一員となって7シーズン目を迎え、様々な経験をしてきたことで「落ち着いてプレーできるようになってきました」というのも安定したプレーができている証拠だ。まだ5試合を終えただけだが平均9.8点、3アシスト、3Pシュート成功率42.9%、3.4リバウンドはいずれもキャリハイのスタッツを記録し、好調なスタートを切っている。
遠藤選手自身、「ディフェンスでミスをしてはいけない選手」と自覚するように堅守の中核を担う。185cmだが、栃木の日本人選手の中では4番目の高さとなる。アルバルク東京戦では、#31ジャワッド・ウィリアムズ選手やポストアップしてくる#15竹内譲次選手をマークする場面も見られた。
川崎ブレイブサンダースから移籍してきた#24栗原貴宏選手も、ディフェンスがメインの役割となる似たもの同士。川崎時代の背番号は9だったのも同じである。ゴールの番人が増えたことで、今シーズンはよりオフェンスにも意識を向けることができる。得点もさることながら、得意なドライブで切り込んでからパスを出すプレーでアシストを増やしている。
責任を持ってシュートを決めきる力をつけていきたい
順調にスタッツを伸ばし、これまでどおりディフェンスは申し分ない。生え抜き選手としてリーダーシップも執れている。しかし、全体的にそつなくこなしている印象を受けた。平均点の活躍ができているからこそ、さらに打破するための何かが必要ではないかと発破をかけたくなった。
「自分の得意なトランジションからの3Pシュートや、ドライブでアタックしていくプレーがあまり出せていません。そこが増えてくれば、平均10点以上に増えてくると思うので、簡単な得点をもう少し増やしていきたいです」
現在、通算988点を挙げており、明日10月20日(土)から栃木県立県南体育館ではじまるレバンガ北海道との2連戦で、1000点をクリアすることが濃厚だ。A東京戦以外の4試合は2桁得点を挙げており、目標とする平均10点以上へ向けて初戦でクリアして欲しい。
「ボールを持たせてもらうことも多くなったので、責任を持ってシュートを決めきる力をつけていきたいです」と前向きに取り組んでいる。昨シーズンは1勝もできなかったディフェンディングチャンピオンのA東京に勝てたことも「本当に良い自信になりました」と、吹っ切れることができた。チャレンジャーであるとともに、栃木もまたBリーグ元年を制したチャンピオンとしてのプライドがある。開幕5連勝の勢いに乗って王座奪還を目指すとともに、遠藤選手がふたたび日本代表に返り咲くためのブレイクスルーとなるであろう今シーズンに期待したい。
文・写真 泉 誠一