「(田中)大貴も馬場(雄大)もいるし、チーム全員が代表クラスの選手たち。そこにルカ(パヴィチェヴィッチ)ヘッドコーチが率いており、組織的なオフェンスもさることながら素晴らしいディフェンスを教えるコーチなので、そこをどう打開しようか楽しみにしています」
その後に行われた対戦は、今シーズンも1勝1敗の痛み分け。勝ち越しを決める次の試合は、残念ながらレギュラーシーズンには用意されていない。
18クラブと大所帯のB1において、中地区にいる三河は24試合を終えた時点ですでに20勝を挙げ、首位に立っている。2位三遠ネオフェニックスとの差は9ゲーム。これは激戦区である東地区の1位と6位のゲーム差と同じである。いつでも比江島選手が楽しめるような拮抗したクラブ同士の対戦ができるリーグが望ましく、それこそが本来あるべき姿でもある。
一方で、バスケットを生業とするプロである以上は、楽しいだけでは終われない。常に100%のパフォーマンスを更新していくことがファンのためであり、チームを勝利させながら向上させていく近道でもある。メンタルさえ高く保てれば、いつでも『スイッチ』が入った状態のプレーを見せられることは比江島選手自身も分かっている。
「最近、日本代表でメンタルトレーニングをしており、何が大事なのかが分かり始めています。客観的に、冷静に分析された意見を聞けば、納得するところも多くあります。楽しむことやワクワクすることが大事なんだなってあらためて思わされます。それとともに、他人のために戦うことが大事だと学びました。ファンのため、日本のために力を発揮できるようになれば、もっと良いパフォーマンスが出せると思えるようになってきました」
格差ある同カンファレンスの戦いが続く中でもメンタル強く、ぶっちぎりの勝利をすることも常勝軍団の使命である。年明けには否が応でも『スイッチ』を入れて日本一を狙わねばならない天皇杯が待っている。舞台はさいたまスーパーアリーナ。モチベーションを高めるには十分な大舞台での活躍に注目したい。
シーホース三河 #6 比江島慎
『比江島ステップ』誕生は努力か?天然か?
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文・泉 誠一 写真・安井麻実