Bリーグとなり、これまでのプロリーグと大きく変わった点は、日本代表の強化に直結することを明確にしたこと。これまで日の丸を背負ってきた選手たちだからこそ、日本代表への思いは誰よりも強くあります。取材を終えた後に行った二次会でも止まることなく、この話題は尽きることなく熱く語り合っていました。
日本代表を強くさせるためのBリーグにならないと!
竹田 僕はもっとBリーグが日本代表の強化に寄せても良いのかなと思う。東京オリンピックもあることだし、それまでの3年間だけでもそっちに寄せるレギュレーションや試合数にしていっても良い。もっとリーグを活用して、日本代表が強くなるようにすれば良いのになって思う。僕がずっと思っているのはアジア人枠を作って欲しい。今、アジアの選手は中国リーグに行ってしまっている。年俸さえ上がれば来てもらえるわけだから、対戦相手の中に勝ち抜かなければならないアジアのライバル選手が常にいるようなリーグ環境になる方が、僕はより強化につながると思う。選手の年俸が上がって、NBA選手が来てくれるのもうれしいけど、普段のチームと代表でやることがあまりにも違いすぎるのは代表選手にとっても良くはないのかなと思う。幅が広がる部分はあるかもしれないけど、代表は急造チームであり、これからシーズン中に試合があるわけだし。そこも考慮しながら、思い切って代表のためのリーグになっても良いのかなって思う。
網野 シーズン中に北海道で国際強化試合があったけど、リーグに関する記事はメチャクチャ増えたのに、日本代表のニュースは全然増えていないとあの時にすごい思った。東アジア選手権もそうだったが、代表はニュースとして取り上げられないんだなって感じている。
竹田 やっぱりテレビ放送の差なのかね。開幕戦はフジテレビで放送され、その前からずっとバスケの特番や選手を使ったりしながらしっかり準備していたのはすごかった。
伊藤 それがテレビのシステムでもあるわけだから、そこに乗ればよい。協会がお願いしていないから露出が少ないのもあるかもしれないけど、代表チーム自体がもっと注目されるように仕掛けていって欲しい。せっかくシーズン中の代表戦だったのに、ただの代表活動中のブレイクになってしまったのは残念だった。
竹田 サポートコーチもそうだけど、代表に選ばれてなくても若い選手がそこに行って何かしら経験したり、今までの考えを覆していろいろ試せば良いのに。
網野 シーズン中ということで選手が足りず、一緒に練習させられることがすごいありましたからね。
伊藤 それもサポートコーチと言われる部分でしょ。
竹田 何でもサポートしないとね。
網野 まだまだ動けるし、スリーメンくらいならできるんだけど…
竹田 せっかく協会とリーグが一緒になったからこそ、もっと大胆にやって欲しい。それは選手会から意見を挙げても良いし、チームの理解を含めて教育し、全面的に日本代表に協力しなければダメという空気を作らないといけない。
伊藤 (日本代表を)手伝わないと損というような雰囲気にしないとね。
竹田 当たり前じゃん、「そこが一番でしょ」とみんなが思うようにしていきたい。なんでチームが代表に選手を出さないの、というような風潮に変えていかないと今までと同じ。ところでルカ(パヴィチェヴィッチ ※テクニカルアドバイザーとして昨年12月から今年6月まで日本代表の強化を担い、今シーズンよりアルバルク東京ヘッドコーチに就任)はどう?佐々(宜央 ※日本代表アシスタントコーチを経て、今シーズンより琉球のヘッドコーチに就任)もメチャクチャ良いって言ってたけど。
網野 メチャクチャ良いです。人としても良いですしね。バスケットがムチャクチャ好きだし、熱い。
竹田 バスケットの中身として何が良いの?
網野 徹底してるし、ルールや考え方が明確。言ってることはすごくオーソドックスなんだけど、みんなは気付いていなかったことを指摘してくれる。例えばパスが飛んできたときに、取れそうだと思ったらつい飛びついてしまうけど、結果取れないことってあるじゃないですか。それはハードワークと思われがちだけど、結果として取れなかったらそれはギャンブルになってしまう。そういうプレイはすごい怒られるし、徹底させている。馬場(雄大 ※筑波大学に通いながら今シーズンよりアルバルク東京に入団)はギャンブルが多いので、ルカから「お前はラスベガスか!」って言われてます。笑
文・泉誠一 写真・安井麻実