多くの選手を称えたいがために、1人に複数の賞を与えないのがBBS AWARDの掟である。毎年、一気に5人を選出するBEST5が一番頭を悩まし、激しくも楽しい議論が交わされる。MVPやBEST5の選考基準として、個人的な基準を設けている。長いBリーグのシーズンをほぼ休みなく戦い抜き、チームを勝たせた選手を称えたい。言い換えれば、ケガなくコートに立ち続け、チャンピオンシップに導いた選手がスーパースターだ。
この基準を共有していたわけではないが、満場一致で今村佳太(琉球ゴールデンキングス)と富樫勇樹(千葉ジェッツ)が最初に選ばれた。2人ともレギュラーシーズンの60試合をすべてコートに立ち、ご存じのとおり今シーズンのラストゲームまで戦い続けた。チャンピオンシップはすべてスウィープで日本一となった今村は、プラス6試合。3ポイントシュートは382本放ち、134本を成功させた。着実にそれらの数字を増やしており、この武器を磨いて来シーズンはさらなる活躍に期待したい。
クォーターファイナルの広島ドラゴンフライズで3試合を戦った富樫は、1試合多い7試合がプラスされる。富樫はファイナルこそ敗れてしまったが、リーグ最多勝率を塗り替える88.3%(53勝7敗)で東地区優勝、天皇杯も制した2冠の立役者である。3月25日の新潟アルビレックスBB戦では、地元新潟の地でブロック1を記録。新潟県出身の2人は昨年に続き、BBS AWARDのベスト5に輝いた。
もう一人のガード〜スモールフォワードのノミネートは、原修太(千葉ジェッツ)と安藤誓哉(島根スサノオマジック)に意見が分かれる。原は今年のMVP候補としても名前が挙がり、安藤は昨シーズンのMVPを受賞。協議の結果、原には何か別の賞を与えようということになり、アウトサイドプレーヤー最後の1人は、安藤が受賞。平均16.1点をマークし、4月19日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦ではキャリアハイの37点と爆発的な活躍で、島根を2年連続チャンピオンシップへと導いた。