東から西地区へ移動した浜松だが、王者沖縄を相手に準備期間があるのは集中できる
そんな良い人オーラ丸出しの太田だったが、後半戦へ向けたチームの話になると少しだけ表情がキリッとする。ほんの少しだけ。
「何とか勝てるではなく、ちゃんと勝てるようにチームは変わって来ています。シーズン当初は、試合をしていても何とか勝っている状況でしたが、試合をこなしていくうちに、チームの団結力も高まって来ており、良くなって来ている手応えを僕自身も感じています」。
今シーズンより、ウエスタンカンファレンスへ移動した浜松だが、何か影響はあるのだろうか?
「僕自身はそれほど感じていませんが、昨年のチャンピオンである沖縄など元々強いチームが西側の方が多いとは思っています。これから強いチームとの対戦が多くなる後半戦になってみて、あらためて何か感じるかもしれません」。
後半戦がすでに再開したが、アウェイでの島根と高松に対して1勝1敗と連勝ならず。今週末はようやくホームに戻り、6位京都との対戦が待っている。その後も、カートライトHCを迎え沖縄と接戦を演じた大阪、そして首位沖縄とウエスタンカンファレンスで実績あるチームとの対戦が続く。
その沖縄は、昨シーズン優勝を賭けてファイナルで争った相手。今後の優勝争いへ向けても、昨シーズンのファイナリスト同士が、ファイナルを前に対戦することとなる。
「確かにウエスタンに移動したことで、沖縄を倒さないとファイナルへも進めないですからね。でも、そこを乗り越えれば優勝に近づくと逆に思えるかもしれません。どちらにしても、その後はイーストのトップチームと対戦するわけですけどね。優勝へ向け、まずは昨年の王者にリベンジすることに集中したいです。ファイナル4でのカンファレンスファイナルで当たれば、そこは一発勝負ですし、それまでに準備期間も作れます。つまり、昨年のようにはならないと思います。まぁ、勝つでしょう。フフフフ」。
さっきまで目尻を下げていた低姿勢とは違い、不敵に笑う。昨シーズン、ファイナルで敗れたことがよほど悔しかったことが伝わってきた。
足早に帰ろうとしていたワケ…目指すは優勝して一緒に記念撮影
昨シーズン、ファイナルで敗れた後、ブースターが待つゴール裏へ男泣きしながら頭を下げた河合HC。今年は何としてもうれし泣きさせたいところだ。
「もちろんです。優勝してみんなで写真を撮る時に、僕自身としては子供を抱いて記念撮影したいです」。
子供?そう言えば、子供が産まれたという話を噂に聞いていた。
「まだ産まれて来ていませんが、今日にでも産まれそうなんです。だから早く帰らないと!」。
誰よりも早くロッカールームから出て来て、足早に去ろうとしていたワケは、第一子誕生を間近に控えていたからであった。
「今シーズン、人生初となるキャプテンを任されています。いろんな仕事もありますが、チームも好調であり上向いているので、自分もそれにしっかり乗っかり、そしてプレイでみんなを引っ張り、まずはイースタンカンファレンスチャンピオンになります」と後半戦へ向けた抱負を語り、愛妻の待つ浜松へ帰って行った。
1月24日、3300グラムの女の子が誕生したことが浜松オフィシャルfacebookで伝えられた。愛娘とともに記念撮影する新たなる夢に向かっても負けられない。そして、父となった太田は、さらに成長するはずだ。進歩する速度は遅いかもしれないが、まだまだ成長過程にあると期待している。
- 浜松vs京都@岡崎中央総合公園体育館
2月9日(土)18:00
2月10日(日)13:30 - 浜松vs沖縄@豊橋市総合体育館
2月23日(土)18:00
2月24日(日)13:30 - 浜松vs東京@豊橋市総合体育館
3月9日(土)18:00
3月10日(日)13:30
text by IZUMI