昨年10月9日に開幕したNBL2015-2016シーズンのレギュラーシーズンが先週5月8日の試合をもって全330試合(内6試合が熊本地震の影響で中止)が終了した。NBL最後のチャンピオンを決める戦いは、いよいよシーズン上位8チームで争われるプレーオフ(以下PO)を残すのみ。今週5月13日からはまず、2戦先勝方式のクォーターファイナル(以下QF)の幕が上がる。激戦必至のラストバトルを会場で目に焼き付けよう。
Text by Hiroyuki Ohashi / Photo by Tomoko Oosawa
■トヨタ自動車アルバルク東京(1位)vs.千葉ジェッツ(8位)
今シーズン、47勝8敗(勝率.855)とbjリーグ発足後の2つの国内リーグにおいて歴代最高勝率を記録したトヨタ東京。最長16連勝をマークするなど、平均得点82.8点(リーグ1位)の高い攻撃力と平均失点69.8点(リーグ2位)の強固な守備力を磨きあげた。
POを目前にする伊藤拓摩HCは「シーズンでやってきたことをやればいいだけです。55試合戦ってきたバスケットをやるだけですね」と気負いはない。
また司令塔♯35伊藤大司も「自分たちのやるべきことを実行したら勝てるとわかっているし、その自信もあります。QFからしっかり一試合一試合を戦っていきたいと思います」と歴史をつくったチームに大きな手応えを持つ。NBL初優勝に向けて万全の状態だ。
対する千葉はQFの前哨戦となった5月7日の試合で54-83と完敗。怪我人も重なり直近10試合でたった2勝と苦しい状況だ。
それでも日本代表候補の#25荒尾岳が故障から復帰した明るい材料もある。残るはエースガード#11西村文男のコンディションがどこまで戻るか。チームトップの平均2.9アシストで攻撃を司る男が千葉の浮沈を握る。
《トヨタ東京 vs 千葉 @国立代々木競技場第二体育館》
5月13日(金)19:00 試合開始(17:30開場)
5月14日(土)15:00 試合開始(13:30開場)
5月15日(日)15:00 試合開始 (13:30開場)
※2戦先勝方式のため、3戦目は開催がない場合があります。
■リンク栃木ブレックス(2位)vs.三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋(7位)
トーマス・ウィスマンHC体制2年目、トランジションが武器のリンク栃木であるが、平均失点は62.0点とリーグNo.1の守備力も見逃せない。リーグNo.1の攻撃力を誇るトヨタ東京(平均得点82.8点)に対しても、直接対決で73.2点(-9.6点減)まで抑える力を持つ。
そして大黒柱は得点とリバウンドでチームトップの#32ライアン・ロシターだ。先週5月7日~8日の2連戦に下左足関節捻挫(復帰時期未定)で欠場したことが気がかりだが、ベテラン#0田臥勇太や♯8山田大治らを筆頭にチーム一丸となって、初優勝した2009-2010シーズン以来となる頂点を狙う。
一方、三菱電機名古屋は直近10試合で日立東京に3連勝するなど8勝2敗と調子を上げてきた。#7五十嵐 圭が平均出場時間27.5分でチームを引っ張るとともに、#24ジャスティン・バーレルと#22アマット・ウンバイが得点にリバウンドに稼ぎ頭だ。特に怪我が癒えて状態が上がってきたウンバイの存在は大きい。あとは大舞台で真の復活を期するシューター#9川村卓也の存在が追い風となり、上位相手にひと泡吹かせたい。
《リンク栃木 vs 三菱電機名古屋 @ブレックスアリーナ宇都宮》
5月14日(土)15:00 試合開始(13:00開場)
5月15日(日)15:00 試合開始(13:00開場)
5月16日(月)19:15 試合開始 (17:15開場)
※2戦先勝方式のため、3戦目は開催がない場合があります。
■東芝ブレイブサンダース神奈川(3位)vs.レバンガ北海道(6位)
2年ぶりの王座奪還を目指す東芝神奈川。シーズン終盤にチームで目標設定をしたレギュラーシーズン3位となってQFへ臨む。攻守の要は平均得点25.9点、平均リバウンド13.5本の#22ニック・ファジーカス。ダブルダブルのスタッツを数多く残して、インサイドを支配する。
また、今シーズンは#0藤井祐眞と#43永吉佑也も54試合すべてでコートに立つなど、若い力も着実にレベルアップを重ねている。副将#14辻 直人は「シーズンを通して、(チームは)今がまとまってきていると思います。個々が役割をわかってきて、それを(試合で)出せている(4月13日熊本戦後)」と語っており、激しいディフェンスからコートの5人がアグレッシブにリングを狙うバスケットで再び頂点に登りたい。
対する北海道はクラブ創設初のPO進出を決めた。#8多嶋朝飛、#11桜井良太のバックコート陣が攻撃を組み立て、ゴール下では#33ジェロウム・ティルマンが存在感を発揮する。
リーグ最年長#9折茂武彦が故障から戻り、JBLトヨタ自動車時代から培った経験をチームに授けて、アップセットを狙いたい。
《東芝神奈川 vs 北海道 @横浜文化体育館》
5月14日(土)15:00 試合開始(13:30開場)
5月15日(日)15:00 試合開始(13:30開場)
5月16日(月)19:00 試合開始 (17:30開場)
※2戦先勝方式のため、3戦目は開催がない場合があります。
■アイシンシーホース三河(4位)vs.日立サンロッカーズ東京(5位)
2連覇を目指すアイシン三河にとって、このPOは1月の天皇杯と合わせてシーズン2冠がかかっている。シーズン4位ながらも昨年の熾烈なファイナルを制した♯0橋本竜馬、#6比江島 慎、#14金丸晃輔、#32桜木ジェイアールがスターターに揃い、“経験”では優位に立つ。
そして、新加入組として天皇杯で途中出場ながら3連続3Pを決めるなど流れを変えられる#22長谷川智也や、アーリーエントリーでプレータイムを勝ち取った#24加藤寿一など新しい力の台頭もあり、非常に心強い。日立東京との直接対決では勝ち越しており、直近の試合(3月31日、○74-68)では相手の強みであるインサイドを封じて勝ちきった。QFでも難敵撃破で最後の主役に登りつめたい。
一方、昨シーズンはPOセミファイナルで苦汁を飲んだ日立東京は、その悔しさを晴らしたい。直近10試合で6敗と負けが先行しているが、ベテラン#1木下博之は常々「負けたときのコミュニケーションが大事」と話している。ここ2シーズン、継続して11名の選手がともに戦っており、成熟した結束力でこの状況を打破してくるだろう。悲願のリーグ初優勝に向けて、まずは第一関門を突破したい。
《アイシン三河 vs 日立東京 @ウィングアリーナ刈谷》
5月14日(土)15:00 試合開始(13:30開場)
5月15日(日)15:00 試合開始(13:30開場)
5月16日(月)19:00 試合開始 (17:30開場)
※2戦先勝方式のため、3戦目は開催がない場合があります。
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