大学シーズンが終わると、あちこちのチームからアーリーエントリー選手の名前が発表される。昨シーズンの大学界No.1ガードと言われたベンドラメ礼生(東海大)は日立サンロッカーズ東京のアーリーエントリー選手として、1月24日のトヨタ自動車アルバルク東京戦からベンチ入りし、翌週1月29日の東芝ブレイブサンダース神奈川戦で試合デビューを飾った。この試合のスタッツはプレータイム9:05、得点2、リバウンド1、アシスト3、スティール2。3つ犯したターンオーバーが悔やまれるものの、まずは合格点のスタートと言っていいだろう。
東芝神奈川との3連戦は2勝1敗と勝ち越したが、3戦目に足を痛めたベンドラメは練習に参加できないまま2月5日のアイシンシーホース三河戦を迎えた。負傷した足は「今朝からようやく歩けるようになった」という状態で、当然、試合は不出場。だが、ベンチにいても学ぶことは少なくない。終始ボールを手にして、身を乗り出すように戦況を見つめる真剣な顔が印象的だった。
チームを知るところから始まる
日立東京の練習に参加しての率直な感想を尋ねると「まだ何となく余裕がない自分がいます」という一言が返ってきた。
「練習には6回ぐらいしか参加していないので、まだわからないことが多いです。いろんなことに早く慣れて、もう少し余裕を持ってプレーできるようになりたいです」
『慣れる』というのは、チーム状況を知るということ。「フォーメーション1つにしてもそうですし、選手1人ひとりの特長もそうですし、そういったことがまだよくわかっていないので、それも練習を通して学んでいかなければなりません」
先輩ガードである木下博之、伊藤駿のプレーにも触発されることも多い。
「2人ともターンオーバーが少ない確実なプレーをするなぁと思います。今はそういったところに自分の課題を感じます」
そして、その中で徐々に “自分らしさ” を発揮していくこともまた1つの課題。新戦力として自分が求められているのはどういったものだと考えているのだろう。
「う~ん、どうでしょう。入ってすぐのころは自分に求められているのは積極的なオフェンスだと思っていたんですが、やっぱりそれだけじゃないですよね。うちは木下さんも伊藤さんも攻めるし、得点力もあるガードです。自分の持ち味がアグレッシブなプレーであることには変わりないですが、さらに上を目指すためには『判断力』を身に付けなくてはならないと思っています。アグレッシブに行くにしても“攻めどころ„というのがあると思うので、無理には攻めない。そういう判断を的確にできるガードになりたいです」
先輩たちの期待も大きい
2月に入って間もなく千葉県柏市に引っ越した。マンションを借りて、人生初めての1人暮らしがスタート。
「すごく淋しいですね(笑)シーガルスハウス(東海大バスケット部の尞)にいたときは必ず誰かしらが近くにいたのに、今は自分しかいない。部屋がシーンとしてる(笑)その静けさにまだ慣れていません」