1月17日(日)、川崎市とどろきアリーナにおいてNBLオールスターが開催された。『ALL BASKETBALL UNITED~すべてのバスケットボールがツナガル~』をコンセプトに、高校、大学、NBDL、NBLの選抜チームが集結。カテゴリー別の対抗戦に加え、3Pコンテスト、スラムダンクコンテスト、また、バスケット未経験の子どもたちにバスケの楽しさを伝える運動教室(My First Basketball)やよしもと芸人のお笑いパフォーマンス、さらにはシーズン中チームを盛り上げてくれるチアガールの皆さんが一同に会してのダンスなど盛り沢山のプログラムで観客を楽しませてくれた。
文・松原 貴実 写真・安井 麻実
■高校選抜東西対抗戦
ウインターカップの熱戦がまだ記憶に新しい高校バスケット。今回は優勝した明成、準優勝の土浦日大はもとより、全国の高校から次代を担う3年生たちが集まり、EAST、WESTに分かれて元気なプレーを披露した。
ウインターカップ準決勝で土浦日大に敗れ大泣きした小室望海選手もこの日はず~っと笑顔。「昨日はみんなで同じホテルに泊まっていろんな話もできてすごく楽しかったです。高校最後にこのメンバーたちと一緒にプレーできて最高でした!」
EASTチームのヘッドコーチを務めた佐々宜央リンク栃木ブレックスAコーチも「練習は1回やっただけなんですが、どの選手も能力が高くて驚きました。彼らがこれからどんなふうに伸びていくのかと想像するだけでわくわくしますね」と、これまた笑顔。
試合は97-83でEASTチームが勝利したが、勝敗に関わらず‟思いっきりバスケットを楽しむ„選手たちの姿が気持ちよく印象に残った。
EASTチームの豪華なベンチメンバー。左から三上侑希(明成)、平岩玄(土浦日大)、松脇圭史(土浦日大)、八村塁(明成)、小室望海(能代工)
同じくWESTチームも豪華メンバー。左から荒川颯(洛南)、増田啓介(福岡大附属大濠)、牧隼利(福岡大附属大濠)、森下魁(明徳義塾)、中村浩陸(中部大第一)
ウインターカップ準決勝で戦った平岩と小室も今日はチームメイト
3年間、ライバルとして切磋琢磨してきた八村、牧、平岩のとびきりの笑顔をどうぞ。「最高に楽しかったです!」という八村はこの日両チームハイの28得点。ダンクも披露して喝采を浴びた。
■NBDL選抜―大学選抜対抗戦
第2戦のNBDL選抜と大学選抜の一戦は3Qまで僅差の白熱戦となったが、4Qに入ると大学チームが一気に波に乗り113-99とNBDL選抜を突き離した。
今回のNBDL選抜は各チームから1名ずつ選出したこともあり、ゲームを組み立てるポイントガードの大塚勇人選手(豊田通商ファイティングイーグルス名古屋)も少々苦労したのでは?と聞いてみると「いつもと勝手は違いましたが、みんな能力がある選手ばかりなので一緒にプレーしていて楽しかったです。いい機会をもらえました」と、ニコニコ。今シーズンから東京海上日動ビッグブルーに加入した田中健選手もこの日は先発メンバーとして出場し「若い選手(大学生)を相手に頑張りました(笑)」
一方、大学選抜チームの4年生たちはこの日が正真正銘学生最後の試合。試合後に記念写真を撮ることになったのだが、なぜか岡本飛竜選手(拓殖大)の姿がない。「どこに行ったんだよ」「トイレに行ったみたいだよ」と言いながら撮影を待つ4年生たち。しかし、岡本選手はなかなか戻ってこない。「あいつ、どこ行ったんだよ」「だからトイレだよ」「トイレ、長いだろ」「長すぎるだろ」と、ブツブツ言いながら待っていると、やっと姿を現した岡本選手。「あっ写真ですね」と言うが早いか、勝利チームが副賞としてもらったSAVASをさっと手に取りセンターポジションでいきなりポーズを決めた。おいっ!一同大爆笑。
田中健(左)と大塚勇人(右)。これはなかなか見られないツーショット。
学生選抜チームの4年生たち。後列右の赤石遼介(拓殖大)、の頓宮裕人(東海大)はそれぞれ関東実業団チームへ。前列左から村越圭佑(筑波大)、岡本飛竜(拓殖大)はTKbjリーグ島根スサノオマジック、橋本晃佑(東海大)はNBLリンク栃木ブレックス、ベンドラメ礼生(東海大)はNBL日立サンロッカーズ東京へ入団。新たな舞台での活躍が期待される。
■NBLオールスター戦
メインエベントであるNBLオールスターゲームの前に行われたのは3Pコンテストとスラムダンクコンテスト。3Pでは最後に登場した金丸晃輔選手(アイシンホース三河)が、同率暫定2位の古川孝敏(リンク栃木ブレックス)、飛田浩明(東京エクセレンス)を抜き去って堂々の優勝。昨年に続く栄冠を手に「連覇って簡単なんですね」と余裕のコメントかまして場内を沸かせた。
スラムダンクでは、チームメイトである竹内譲次選手がゴール下で掲げたボールをダンクするパフォーマンスを見せたアイラ・ブラウン選手(日立サンロッカーズ東京)が高得点をマークして栄えある1位に。また、高校生プレーヤーとして参加した中村碧杜(能代工)の力強いダンクにも大きな拍手が送られた。
そして、いよいよ最後のプログラムNBLオールスターゲームがスタート!お祭り的要素が強いイベントだけに毎年選手たちの‟本気の顔„より‟和やかな顔„が目立ち、それを見るのが観客の楽しみの1つにもなっているが、この一戦の終盤はちと雰囲気が異なった。なんせダブルオーバータイムに突入する激戦となったからだ。まずは一歩リードしたWESTチームに古川選手の3Pで追いついたEASTチームが延長戦に持ち込むと、そこでもWEST勝利か?と思われた残り0.7秒にEASTのジョシュ・ハイトベルト選手が3Pを決めてゲームを振り出しに戻す。再延長戦では3度目の正直でWESTが152-142で勝利したが、接戦になるとついつい本気が出てしまう選手たちの性(?)に、お祭りだけじゃない見ごたえを感じたファンも多かったはずだ。MVPは中に外にと大暴れしたWESTチームのダバンテ・ガードナー選手(西宮ストークス)。ダントツの50得点で納得の受賞だった。
朝の10時半から夜の9時近くまでぎっしり丸ごとオールスターデー。参加した選手、関係者、そして大勢のファンが笑顔を共有した楽しい1日となった。
WESTチームのベンチ。左から中東泰斗(三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋)、竹内公輔(広島ドラゴンフライズ)、五十嵐圭(三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋)。やけに楽しそうだが、絶対バスケット以外の話をしてるよね?
EASTチームベンチ。左から田臥勇太(リンク栃木ブレックス)、竹内譲次(日立サンロッカーズ東京)、小野龍猛(千葉ジェッツ)、桜井良太(レバンガ北海道)。仲間のナイスプレーに盛り上がっております。
戦況を見つめるWESTチームには川村卓也選手(三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋)の姿も。ケガでゲームには不出場だった川村選手はスラムダンクコンテストの審査員を務め10点満点中8点しか出さない辛口審査で「激辛すぎ~!」と突っ込まれていた。
EASTチームの富樫勇樹(千葉ジェッツ)、古川孝敏(リンク栃木ブレックス)、桜井良太(レバンガ北海道)。理由は わからんが、とにかくめちゃくちゃ楽しそう。