今シーズンのWリーグフューチャーは、日立ハイテクが16勝2敗で首位を走る状況だ。昨シーズンは降格の憂き目に遭ったが、新戦力が期待通りの働きを披露していることなどで、Wプレミア復帰に向けて順調に推移している。
昨シーズンの悔しさを晴らすという意味では、Wプレミア昇格が叶わなかった三菱電機コアラーズも気になるところだが、11勝7敗で順位は4位。こちらも吉田亜沙美や中村華祈らを補強したものの、その吉田が病気のためシーズン前半を棒に振ったことも影響してか、思うように星を伸ばせていない。
その三菱電機に、待ちに待った選手が帰ってきた。1月5日の皇后杯ファイナルラウンドにおいて、第4クォーターに34得点を叩き出した三菱電機は109-87で秋田銀行を振りきっているが、ほぼ勝敗が決した残り2分15秒、小野寺龍太郎アソシエイトヘッドコーチに名前を呼ばれた選手がベンチから立ち上がると、他の選手が沸いたのはもちろんのこと、観客席のファンからも歓声が上がった。

昨シーズン、試合中に左膝前十字靱帯断裂という大怪我を負い、コートから遠ざかっていた根本葉瑠乃にとって、これが約1年2カ月ぶりの出場だった。短い出場時間でついたスタッツはファウル1つのみだったが、やはり本人にとっては感慨深い瞬間だった。
「やっとコートに戻れるんだなと思って嬉しかったです。まだ感覚的にはあまり戻ってないんですけど、試合の雰囲気とかは感じることができて、やっぱり外から見てるのとコートに立つのでは全然違うなというのは改めて感じました。できればシュートは打ちたかったですけど、タイミングがなかったですね」
特にここ数年、日本バスケット界で頻発している印象のある前十字靱帯断裂は、それらの前例から考えると戦列復帰までにおよそ1年を要するが、一昨年11月に負傷した根本はそれより少し長めの時間がかかってしまった。本人が「めちゃめちゃ長かった」と感じるのも無理はない。
「最初は10カ月で復帰できるって言われてて、リーグが開幕するかしないかくらいのタイミングに間に合うんじゃないかという感じだったんですけど、あまりうまくいかなくて、一度は今シーズンも危ういかもしれないくらいの感じになっちゃったんです。でも、いろんな方の協力があってなんとか間に合うことができたので、本当にありがたいです」
これだけ長く試合から離れていたとなれば、復帰してすぐに本来の活躍ができるわけではない。いくらゴーサインが出たといっても、この日の出場時間からもわかるように、今はまだ試運転に近い。本人もそのことは承知し、1年2カ月の間に薄らいだ感覚を焦ることなく取り戻そうという段階だ。

「徐々にチーム練習には入ってたんですけど、ライブに入ったのもまだ2週間くらいなので、しっかりした対人練習をしたのは4回くらいしかなくて、ゲーム感覚の前にバスケットの感覚が戻りきってない状態なのは確かです。そこは慣れていくしかないなと思ってます」
昨シーズン、根本がリーグ戦9試合目という早い段階で戦列を離れてしまったことは、三菱電機にとっては大きな痛手だった。終盤戦まで首位をキープしていながら、結果的に東京羽田ヴィッキーズにひっくり返され、アイシンとの入替戦にも一歩及ばなかったが、高卒で入団して11年目だった根本は、無念を内に秘めながらも、自身が持つ全てをチームに還元することに心を砕いてきた。若い選手が多い三菱電機にとって、根本の存在は少なからず価値のあるものだ。











