B3リーグにプレーオフ制度が導入された2022-23シーズンにリーグ参入を果たした東京ユナイテッドバスケットボールクラブは、過去3シーズン全て勝率5割を突破してプレーオフに進んでいる。今シーズンは黒星が大きく先行しているが、一昨シーズンの湘南ユナイテッドBCや昨シーズンの山口パッツファイブのように、B3はシーズン後半に急上昇してプレーオフの枠を勝ち取ったケースがある。東京Uにも、ここからの巻き返しが大いに期待される。
第13節のしながわシティバスケットボールクラブ戦は、GAME1をオーバータイムの末に落とすという悔やまれる結果だったものの、GAME2は第1クォーターと第3クォーターに東京Uらしさを存分に発揮し、91-76で快勝。リース・ヴァーグという主軸を欠きながらも、古河ウェスリーとブラ ブサナ グロリダがいずれも15得点を挙げ、穴を埋めることができたのは大きいが、チームの土台はディフェンス。川島蓮が言うように、本来の東京Uの戦い方ができたことが第一の勝因だ。

「みんなで最初からインテンシティー高くディフェンスできて、自分たちがやろうと言っていたことをできた時間が長かったと思います。昨日は延長戦でハート選手にやられてしまって、そこはしっかり止めようという話をしていたので、結局今日も30点取られてるんですけど、みんなで止めるという意識をしていたのは良かったのかなと思います」
ヴァーグの他にも田口暖や大友隆太郎など、故障者の多発もチームの不振に拍車をかけた。負けが込むとどうしてもチームのムードは沈みがちだが、川島は「スポーツだから怪我はしょうがない。チーム全員で声をかけ合って、今までよりも多くコミュニケーションを取ってるので、雰囲気はとても良いと思います」とチーム内で互いに助け合う姿勢は感じられているようだ。
川島自身はというと、これまで怪我で欠場したことがほとんどない。アスリートは常に体のどこかに違和感や不具合を抱えているものだが、社会人から一念発起し、バスケットに人生を賭けた川島の場合は、プレーできる喜びのほうが大きく上回っている。
「捻挫とかはたまにあるんですけど、バスケットできるくらいなんで大したことないです(笑)。痛くても試合に出られはするので、怪我で離脱というのは僕はないですね。僕はもともとアマチュアでやってたので、プロになって自分の好きなことを仕事にできるというのは良いじゃないですか。やっぱりバスケットできるのが嬉しいので、昔よりも『バスケットしたい!』というのは強いですね」
常に東京Uの主力として活躍してきた川島にとって、ベスト5にも選出された昨シーズンは「得点も一番取ったし、スティールも本数だけだったらリーグで1位だったので、自信にはなりました」と手応えを感じられた一方、クラブはレギュラーシーズン2位の好成績を収めながらも、プレーオフでまさかのクォーターファイナル敗退。B2昇格が現実味を帯びていた分、それを果たせなかった悔しさは「もう、すごくありましたね」と今も隠しきれない。

「何日間か立ち直れなかったです。でもやっぱり、そのときは振り返れなかったですけど、時間が経ってみれば『ああすれば良かった、こうすれば良かった』というのが出てくる。何かしら足りないものがあったのかなって、今は思います」
アマチュアから転向したとはいえ、プロの舞台では川島は東京Uの生え抜きと言える立場。創設時からクラブと歩みをともにしている上、トライアウトを経てのプロ転向だっただけに、東京Uを勝たせたい、強くしたいという意識は人一倍強い。











