ユースチーム保有が義務づけられているBリーグは、2シーズン目からU15チャンピオンシップを3月末に開催しているが、言うまでもなくBリーグは男子リーグのため、この大会も男子限定であり、コートに立つのは中学生。しかしながら、U18やU12だけでなく、女子チームといった他カテゴリーのチームを創設するクラブもあり、その数は徐々に増えてきている。
2024年度のU15CSの大会期間中には、その裏で「不二家PRESENTS B.CLUB U15 WOMEN’S CHAMPIONSHIP 2025」も開催された。川崎ブレイブサンダースが2年前から独自に主催している、文字通りU15女子チームが一堂に会する大会。過去2回は神奈川・箱根で開催されていたが、今回は川崎市の協力でカルッツかわさきが会場となった。
今回は12クラブのU15女子チームが参戦したが、女性コーチ、それも元Wリーグ選手のコーチがいることが特徴の一つ。川崎・関彩未アシスタントコーチ(元山梨クィーンビーズ)のほか、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ・松島有梨江ヘッドコーチ(元三菱電機コアラーズ)、三遠ネオフェニックス・小畑亜章子HC(元デンソーアイリス)と井上愛AC(元新潟アルビレックスBBラビッツ)、オリンピック2度出場の越谷アルファーズ・小磯典子HC(旧姓・濱口、元ジャパンエナジーサンフラワーズほか)と多士済々な顔ぶれだ。
前回大会から参加しているベルテックス静岡も、櫻田佳恵HC(元トヨタ自動車アンテロープス)・篠宮杏奈AC(元三菱電機など)という元Wリーガーの2人が指導にあたっている。特に櫻田HCに関しては、常葉学園高時代に高校3冠、筑波大でインカレ優勝、Wリーグで新人王受賞、そして日本代表選出という豪華な経歴の持ち主。地元出身であるということから、クラブが白羽の矢を立てたという。
「現役を引退した後は静岡に戻って、ミニバスとかいろんな指導に関わらせてもらって、結婚を機にバスケットとは離れた生活をしてたんですけど、ベルテックスの関係者の方がツテをたどって声をかけていただきました。もともとはスクールの指導からお手伝いをさせてもらって、そこから今も関わってる男子のユースチームでACをやってた中で、2年くらい前に『女子チームも作ろうか』という話になって、『やってください』って言っていただいて。まさかこんなにガッツリバスケットに携われるとは思ってなかったので、すごく感謝してます」
前回大会から2チーム増え、サブアリーナでの交流戦には昨年設立された東京羽田ヴィッキーズU15女子チームも参加したが、50クラブが集結した男子の大会に比べると規模は小さい。しかし、この大会の目的の一つがU15女子チームの試合機会創出であり、各チームにとって大きなモチベーションになっていることも事実。U15女子設立から日の浅い静岡にとっては、試合ができることが何よりもプラスだ。
「私たちの場合、関東のチームともなかなか交流の機会がないので、ジュニアウインターカップに出るような強いチームと試合をさせてもらうという良い機会を与えてもらって感謝してます。子どもたちにも『チャレンジしようよ』ということは常に伝えていて、相手を見るとどうしてもひるんじゃうこともあるんですけど、私たちは何も失うものがないんだから、まずは自分たちがやってきたことを信じてやってみようということをずっと言ってきました。今日も、秋田(ノーザンハピネッツ)との試合は最初はふがいないところがあったんですけど、戦えているところもあったので、これからの子どもたちの成長の糧になる、すごく良い経験だったと思います」