Wリーグ2024-25シーズンもいよいよ佳境に入った。Wプレミアは富士通が早々にプレーオフ進出を決め、デンソーとシャンソン化粧品も追随。第12週終了時点で残された1枠は、勝率からいくとENEOSサンフラワーズとなることが濃厚な状況であり、いわゆるマジック1の状態だったが、その第12週でENEOSはトヨタ紡織に連敗してしまった。そして迎えた第13週、チームの拠点がある千葉県柏市でのアイシン戦もGAME1で黒星。これでリーグ戦4連敗、ユナイテッドカップファイナルラウンドも含めると5連敗ということになる。
「なかなかシュートが入らなくなったときにディフェンスも崩れてしまって、相手に簡単にノーマークで打たれたりしたので、自分たちで崩れた感じがしました」と語る鈴置彩夏は、13分24秒に出場して10得点と効率の良い働きを見せたが、第4クォーター残り3分13秒、9点差を追う場面で投入された際は3ポイントを5本ミス。残り10秒でようやく決めることができたが、遅きに失する結果となった。
「最初はドライブにも行って点を決めることはできたんですけど、最後にここで巻き返すというときに3ポイントのフォーメーションをシューターとして任せてもらって、そこを決めきれなかったのが悔しいです」
この試合の自身最初の3ポイントは成功させていたため、シュートタッチに関しては良い感触があったということだが、「大事なところで『決めなきゃ』と思って焦っちゃって、シューターとしてはまだまだだなと思いました。絶対に決めようと思ってたんですけど、気持ちが出すぎちゃったのかな」と反省しきり。残り10秒で決めた1本がもう少し早い時間帯に決まっていれば……というのはタラレバに過ぎないが、鈴置も「そうなんですよね」と悔しがった。
「白鷗のときはガードで出て、自分がボールを持ってオフェンスを組み立てることが多かった」と本人が言う通り、鈴置はどちらかというとポイントガード、コントローラーとしての印象が強いが、今シーズンは2番ポジションでの出番が増えている。ENEOSは宮崎早織、高田静、星杏璃とガード陣の層が厚く、昨シーズンも星がケガで戦線離脱するまではこの3人がスターターとして3ガードラインアップを形成し、鈴置はその3人のバックアップという役回りだった。
今シーズンも鈴置はスターターが1試合のみで、基本的にベンチスタートという立場には変わりないが、新たにシューターという役割を与えられている。この試合で終盤の追い上げの場面にコートに送り出されたのも、その仕事を果たすためだったというわけだが、そう簡単に慣れるものでもない。鈴置自身も、まだ修業中という感覚があるようだ。
「今は宮崎さんとか高田さんとか、パスを供給してくれるガードがいるので、自分は2番で点を取りにいかなきゃいけない。点の取り方の難しさは最近特に感じますね。相手のディフェンスのつき方が毎試合違うので、そこにアジャストしていかないといけないです」