上位4クラブがやや抜け出している感もあるB3リーグ。シーズン後半は、残る4つのプレーオフ枠をめぐる争いが苛烈さを増していくと予想される。勝率5割を切っているクラブであっても、4連勝や5連勝で一気にプレーオフ圏内に入ることも可能な状況。より多くのクラブが争いに絡んできそうだ。
第17節を終えたところで11勝19敗と黒星が大きく先行していた東京八王子ビートレインズにも、まだチャンスはある。ホームに金沢武士団を迎えた第18節は、今シーズン2節目の連勝。後半の20分間を22失点に抑え、17点差で快勝したGAME1の試合後、大城侑朔はここまでの戦いぶりをこのように振り返っている。
「カーディングの問題もあって、前半戦は強いチームと当たることが多くて、厳しい序盤になるかなというのは予想してました。連勝はなかなかできてないですが、上位のチームと接戦ができた試合もあったので、全く戦えてないというわけではなかったと思います。人生と同じで、バスケもうまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。その中で、結構接戦も多いということは、自分たちがやり続けてることはあながち間違いじゃないと思うので、それを信じてチームで頑張ってるところです」
この金沢とのGAME1も前半の20分間は同点だったが、ハーフタイムに「やろうとしていることはやれてるから、何かを変えるのではなく、自分たちが用意してきたものを我慢してやり続けよう」と確認し、後半はその遂行力が高まった。とはいえ、これは1試合の結果にすぎない。現状を踏まえると、今後に向けて気を引き締め、戦略・戦術の徹底をいかに継続できるかというのが大城の考えだ。
「自分たちがやってきたことが正しいかどうか、何が足りなかったかということは、シーズンが終わって結果を見てみないとわからないので、今は自分たちがやってることを信じてやり続けること。後半戦に向かってだんだん右肩上がりにはなってきてると思います。でも、プレーオフ圏内へ借金を返していかないと厳しいという状況には変わりないので、危機感を持ちつつ、自分たちがやってきたことを信じてやっていけばなんとかなると、みんなでそう信じてやっていくしかないと思います」
今シーズン東京八王子を率いている三木力雄ヘッドコーチは、大城を開幕から一貫してスターター起用している点について「キャプテンシーもありますし、シュートはチームで一番長けてて、3ポイントで素晴らしい数字を残してくれてるので、そこは変えずにやっていきたい」と話す。「ベンチの大金(広弥)もめっちゃ良い仕事をしますし、彼ら以外の日本人がもう少し得点に絡んでくれると、もっと良いゲームができると思います。2人が軸にならないといけない一方で、彼らに委ねるだけでもいけない」と続けた三木HCの言葉は、2人がチームの土台として安心できる存在であることの証明と言っていいだろう。
対する大城も、ここ数年はHCが定着しない状況となっている中、時に厳しさも垣間見せる三木HCのコーチングがチームにとってプラスに働いているという実感がある。
「僕らは置かれた環境でやるしかないので、コーチ陣がどうこうというのはないんですが、トレインズは例年人間性が良いコーチばかりで、遠慮というか、選手に対して強く言えない人が多かったというのはありました。その中で、三木さんは言うべきことは言うというメリハリの利いてる人で、選手としてはすごく助かってます」