2017年、はじめてのBリーグU15 チャンピオンシップに出場した選手が、第76回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)で日本一を争っている。その一人が日本大学3年の泉登翔であり、2年ぶりに準決勝進出を決めた。「中学校の部活は初心者だらけでメンバーもいないし、勝ち上がることが絶対にできないようなチーム」だったが、Bユース発足をきっかけに広島ドラゴンフライズU15でプレーできたことで転機が訪れる。「Bユースで全国の舞台に出られたことで見てもらえるチャンスがあり、福岡大学附属大濠高校に進学できました」という泉は強豪校への道が拓かれて行った。もちろん本人の努力とバスケに懸ける情熱の賜物である。
「普通の中学校では教えてもらえないような、チームバスケの知識を教わりました」
インカレ準々決勝は神奈川大学と対戦し、前半は34-38と4点のビハインドを背負っていた。「インテンシティ高くディフェンスができていたのは良かったです」と泉が言うように後半は相手を26点に抑え、日本大学は40点を奪って74-64で勝利。オープンハウスアリーナ太田への切符を勝ち獲った。しかし、まだ納得できてはいない。
「不用意なターンオーバーなど自分たちの詰めが甘い部分が出てしまっているので、準決勝まで1週間空く期間で改善しなければいけないです。チームの完成度としてはまだ100点に到達していないと思うので、いかに仕上げて準決勝に臨めるか。もう1回気合いを入れ直します」
昨年の新人インカレでは、2年生の泉がキャプテンとしてチームを引っ張り、下級生チームが全国3位の結果をもたらせた。しかしその後、フルメンバーで臨んだインカレではやっぱり3・4年生が中心となり、泉のプレータイムは限られてしまう。3年生となった今年、先発で起用されているが、「自分のパフォーマンスがまだ上がっていないです」というのも無理はない。関東大学オータムリーグ開幕直前にケガをし、手術に踏み切る。10月20日、ようやくコートに戻ってきたが、今なお調子を上げている最中だ。
「今年の夏にケガをしたことでリーグ戦はほとんど出られず、ちゃんと試合に出たのもインカレからなので、一つずつステップアップしていかなければいけないです。『自分がダメでもチームのために』というのがモットー。自分のことで(気持ちが)落ちて、チームに迷惑をかけるのは選手として一番情けないことだと思っています。僕的にそれは絶対にしたくないことなので、今日の試合(神奈川大学戦)ではそこがひとつ良かったかな。準決勝にも良い入り方ができると思います」