Wリーグフューチャーは、第3週を終えた時点で東京羽田ヴィッキーズが開幕6連勝と首位に立っている。その第3週は、ホームでプレステージ・インターナショナル アランマーレとの対戦だったが、東京羽田にとっては難しい試合でもあった。アウェーで戦った第2週の姫路イーグレッツ戦が10月19日と20日、第3週のアランマーレ戦が同23日と24日。前週を終えた3日後にまた試合が待ち受けていたのである。
これは、ホームアリーナの大田区総合体育館が現在改修工事をしており、年末まで使用できないことに起因している。水曜開催のあるB1やB2の場合でも、土曜から水曜までの5日間で3試合。今回の東京羽田は、6日間で4試合を消化することになり、選手のコンディション調整やチームスケジュールは当然普段通りとはならない。姫路戦を終えたチームはその日の夜遅くに帰京。通常はほとんどのチームがオフに充てる試合翌日も、軽めのメニューで済ませたとはいえチーム練習を実施したそうだ。
試合間隔が短い中でも、コーチ陣はアランマーレのスカウティング内容を選手たちに叩き込んだという。その成果が表れ、第1戦は第2クォーターに25-5と圧倒し、前半は44-19で大量リードを奪った。しかし、第3クォーターに10-23と失速。第4クォーターもアランマーレの勢いを止めることができず、残り35秒にはついに1点差まで迫られる。最後は本橋菜子がフリースロー2本を冷静に決め、69-66で逃げきりに成功したが、冷や汗をかく展開となってしまった。ただ、この時点で開幕5連勝となったことは、もちろんチームにとって良い材料だ。
「前半は自分たちのやろうとしていたことが遂行できて、相手のやりたいことをやらせないというのも徹底できてたと思うんですけど、後半はところどころで相手のポイントになる選手を抑えきれなくて、相手を乗らせてしまったなと思います。でも、まくられた展開でも最後1点でも勝てばいいし、勝てたのは大きかったです」
こう語るのは水野菜穂。昨シーズンまでは相手が勢いに乗ったときに焦ってしまい、かえってミスを連発するという悪循環に陥ることも少なくなかったが、その反省が生かされ、勝利という結果につながっていることには手応えを感じている。
「相手に追い上げられても、追いつかれて逆転されるということが今のところないので、そこは昨シーズンから成長したところかなと思います。全員で我慢しなきゃいけないときに我慢しきれる力はついてきたのかなって思います」
チームはシーズンごとにメンバー構成も変わり、それに伴って戦い方も、個々の役割も変化する。移籍加入3シーズン目の水野も、移籍初年度はディフェンス力やハードワークを買われてスターターに定着したが、年々チームがサイズアップしている中でその役割も少しずつ違ったものになっている。
「もちろんオーさん(萩原美樹子HC)とも話をしながらやってるんですけど、役割は毎年変わってるなと自分でも感じてて、今シーズンは交代で入るので、短い時間で自分の仕事をするということが求められてると思います。思いきりシュートが打てたことは良かったと思うんですけど、後半私個人もディフェンスでやられてしまった部分があった。交代で出たときはディフェンスがすごく大事になるので、スタッツに残らない部分で流れを作れるように、そこはもう1回頑張らないといけないなと思います」