BBS AWARD は2023-24シーズンも、Wリーグベスト5部門においては本家Wリーグの受賞者を対象から外して選考した。その理由を挙げるとすれば「本家で選ばれた選手以外にも、良い選手がわんさかいる」であったり、「より多くの選手にスポットライトを当てたい」であったり、ぶっちゃけた話「本家と被っても面白くなかろう」とか「本家で選ばれた人たちはそれで十分でしょ」というのもあるっちゃある。MVP表彰記事にも書いたように、選ばれてもおかしくない選手はゴロゴロいる。そういう状況なら、独自性を追求してこそBBS AWARD 、などともっともらしい理屈をこねてみるのも悪くはない。
全くもって申し訳ない話だが、今回のBBS AWARD は例年以上に筆者の主張がゴリゴリに幅を利かせる状況となってしまった。若干のプレッシャーと責任を感じつつ、筆者がWリーグベスト5選考にあたって意識したのは、プレーオフに出たチームから満遍なく選びたいという点。先に発表されたMVPの馬瓜エブリンと併せた6人は、全て所属チームが異なる。変なところでバランス感覚が発揮されてしまったのは、やはりどのチームにもベスト5に相応しい選手がいるからであって、筆者が八方美人だからではない。
「良い選手がわんさかいる」などと言うわりに、東藤なな子(トヨタ紡織)、内尾聡菜(富士通)、イゾジェ ウチェ(シャンソン化粧品)の3人はすんなり決まった。日本代表ではディフェンダーのイメージが強い東藤も、トヨタ紡織ではオフェンスでも軸となる選手。ていうか、Wリーグでのキャリアを調べてみると、プレーオフも含めて約120試合に出場し、スターターを外れたのは最初の2試合だけだった。シンプルにすごい。
内尾は東藤以上にディフェンスに特化した職人と思われがちなところもあるが、2023-24シーズンは1試合平均得点を2ケタに乗せ、3ポイント成功率も37.5%と高かった。ちょっとチームメートが豪華すぎるだけであって、チームにはこういうプレースタイルの選手も必要だ。その代表格として、チームが優勝し、自身も日本代表候補に入ったメモリアルシーズンにベスト5に選ぶことは意味があるだろう。
ウチェに関しては、もはや説明の必要はない。本家では新人王に輝いているが、既にリーグの中でもトップクラスの実力の持ち主。本家でベスト5に入らないのであれば、逆にこっちとしては選ぶチャンスだ。それにしても、高卒ルーキーでここまで完成された選手はそういないと思ったのだが、よくよく考えてみると高卒ってことは実はまだ全然完成されていない可能性もあるわけだ。マジか。来たるシーズンは、オールスターではなく公式戦でダンクを決めてくれることを期待する。