B3リーグのレギュラーシーズンが終わり、B2昇格をかけたプレーオフに進む8チームが決定。最終節までもつれた残り2枚の切符は、東京ユナイテッドバスケットボールクラブと湘南ユナイテッドBCが勝ち取った。いずれも参入2シーズン目だが、初めて進出した湘南に対し、東京Uは参入初年度から2シーズン連続でのプレーオフとなる。
ただ、シーズン終盤からの湘南の猛チャージを受け、東京Uは一時プレーオフ圏外の9位に後退したこともあった。昨シーズンは6位での進出だったが、今シーズンは7位。新規参入の福井ブローウィンズと徳島ガンバロウズに押し出される格好にもなりかねなかった。
4月9日のレギュラーシーズン最終戦は、山口パッツファイブとの対戦。前日の第1戦は24点差をつける快勝だったが、この日は山口の粘りに苦しみ、オーバータイムに突入する激戦だった。早水将希ヘッドコーチも「昨日と違ってこういう展開になるというのは、バスケットボールのゲームの中ではあり得る」と語ったが、オーバータイムでは相手を4得点に封じ、最終スコア82-72でレギュラーシーズンを締めくくった。
実は、ホームでのオーバータイムは参入2シーズン目で初めてのことだった。そのせいか、会場のボルテージはオーバータイムで一段と上がった感があり、早水HCも「たぶんお客さんも初めて延長戦を見る人がいて、ハラハラドキドキ感があって、第4クォーターが終わったあとから熱気が上がったのは感じました」とのことだ。
その3日前に、プレーオフの枠を争っていた立川ダイスが敗れた時点で、東京Uのプレーオフ進出は決まっていた。湘南の連敗を受けて順位も決まっていた中、早水HCはこの山口戦を消化試合にするつもりはなく、「戦う理由はいっぱいある」と選手を鼓舞した。
「プレーオフに備えてというのもあるし、プレーオフは下馬評通りにいけば最後まで勝ち上がってもホームで戦える可能性は低いので、これが最後のホーム。僕らはホームで負け数のほうが2つ多かったので、ミーティングでは『ここで取り返さないと』という話をしました。順位も変わらないので、俗にいう消化試合ではあるんですが、戦う理由は必ずある。去年ライセンスが取れなかったときも同じような話をしましたが、ファンのために、ホームのために、今まで関わってくれた人たちのためにということをチームとしても掲げているので、このゲームは勝ちにいかなきゃいけない。みんなその気になってくれましたし、たぶん僕が言わなくても選手たちはその気持ちを持ってくれていたと思います。それで気を抜くような選手はいないので」
早水HCのチームに対する信頼は厚く、自信も備えている。プレーオフ圏外に落ちたときも「最後まで戦えば大丈夫というか、焦りはなかった」という早水HCは、シーズン最終盤の戦いぶりでさらに自信を深めたということだ。
「選手たちにも、やるべきことをやってチームとして戦えばめちゃくちゃ強いチームだと言いました。シーズン中盤くらいまでは、ダメなときに大崩れしたんですよ。それが、最後の8試合は気持ちが落ちることも全然なかった。そこは、チームとしてかなり成長を感じたところです」