今シーズンに関しては日本代表の活動がなかったものの、B1リーグは例年通りに11月後半がバイウィークに充てられた。それを利用して、アルバルク東京は11月24日にメディア向けの公開練習を実施。リーグ戦中断の後すぐに約1週間の休暇が与えられたチームは、この時点でケガを抱える選手もなく、全選手が約2時間の練習に汗を流した。
強いチームは練習の雰囲気が良く、密度も濃い。バイウィーク前の時点で13勝1敗、東地区首位のA東京もそうなのだろう。茨城ロボッツから移籍してきた福澤晃平は、チーム内の競争の激しさを練習からまざまざと感じ取っている。
「練習でも互いに絶対に負けたくないという気持ちは、他のチームも出してるとは思うんですが、アルバルクは5対5でめちゃめちゃフィジカルにプレーするし、普通に強いファウルもする。コートを離れたらめっちゃ仲良いんですが、オンコートでマッチアップしてるときの気持ちが強いし、争いがすごく激しいです」
B1ではまだ下位の茨城から来た福澤にとって、B1で結果を出し続けているA東京はある意味別世界だ。橋本竜馬やライアン・ロシターなど、強豪チームで場数を踏んできた選手が多い中でも、A東京で連覇を経験した選手は1人だけになってしまったが、その1人、ザック・バランスキーは福澤にとって東海大諏訪高校の1年先輩。チームメートの中で最も身近な存在が、新天地のスタンダードを示してくれている。
「それがウィニングカルチャーなのかどうかはわからないですが、ザックさんはプレータイムが長い試合もあれば短い試合もある中で、どの試合でも自分に与えられた仕事を遂行してベンチに戻ってくる。どんな時間帯でも、ちゃんとザックさんの存在を見せてるのがすごいところだと思います。出てすぐにファーストタッチのタフショットを決めたりとか、そういうのを何回も見て、それがザックさんの当たり前というか、僕が当たり前だと思ってたレベルよりも高い。その当たり前のレベルがチーム全員が高いというのが、このチームの強さなんだと思います」
そんなA東京の一員となったことで、当然福澤にも変化は起きている。デイニアス・アドマイティスヘッドコーチをはじめ、コーチ陣から細部にこだわった指導を受け、学ぶことも多いようだ。
「一番はディフェンスの意識ですね。しっかりしたシステムがあって、試合でダメなところがあれば次の練習で全員が動画を見て、どこを直せば良いかを学んでいく。今までもディフェンスやらなきゃとは思ってたんですが、ここではまずディフェンスができないと試合に出られないというのをすごく感じます。まだ他の選手に比べると全然できてないし、もっともっと力を入れないといけない。僕は小さいので、ただポジションに入るだけじゃなくて手を上手く使わないといけないとか、求められることが本当に細かいんですが、そういう細かいところまでしっかり求めているからこそ、勝ちにつながってるんだと思います」