リバウンドも得点でも喰らいついてつかんだ打倒関東
「第1回全日本大学バスケットボール新人戦」(以下、新人インカレ)は予選リーグを終え、シード校の待つトーナメント本戦進出を決めた男女各4チームが出揃った。いずれも無傷の3連勝で突破し、女子は武庫川女子大学、立教大学、松蔭大学、福岡大学の4校。男子は専修大学、早稲田大学、中央大学の関東勢とともに、開幕戦で東海大学を74-69で破った大阪学院大学が打倒関東を果たし、駒を進めている。
その東海大学戦は、終盤こそ点差を詰められる場面もあったが、大阪学院大学が終始リードして大きな1勝を得た。「東海大学の選手たちは高校のときから上の存在の人たちばかりだったので、本当に試合ができる機会があってうれしいです」とは、大阪学院大学のセンター #31 吉田龍空である。格上と位置づける東海大学に対し、「勝つことを一番に考え、そのためにリバウンドも得点でも喰らいついて行くことを意識していました」という吉田は17点、7リバウンドと気を吐いた。ガードの #17 山下力也も17点と続き、キャプテンの #28 植田碧羽は3ポイントシュートを5本沈めて、ゲームハイの26点と活躍。
この1勝で勢いに乗った大阪学院大学は仙台大学を65-48、岡山商科大学も95-53と寄せつけず、3連勝で予選リーグを突破。最後の岡山商科大学戦では、3分37秒出場した吉田が最長であり、先発メンバーを温存。予選リーグから参戦するチームにとっては、すでに3連戦を消化。本日も試合があり、勝ち進めば休みなく試合が続くため、有利にゲームを進めて体力を温存できたことは大きい。
「お前デカいねんからバスケやれ」「吉井みたいになれ」「体が強いんだからもっとやれ」
「なんとなく入った高校でしたが…」という吉田は、野崎高校出身。入学当初、吉田に近づいてきたバスケ部の顧問に「お前デカいねんからバスケやれ」と言われ、なんとなくバスケをはじめた。伸びしろしかない193cmは魅力的である。今度は、大阪学院大学の行広伸太郎監督が「吉井みたいになれ」とリクルートされ、現在に至る。無骨なプレースタイルや思い切り良く3ポイントシュートを打つ姿に大阪学院大学のOBであり、アルバルク東京の吉井裕鷹が確かにオーバーラップする。