本家Wリーグのルーキー・オブ・ザ・イヤーは白崎みなみが選ばれた。新規参入した姫路イーグレッツのキャプテンであり、開幕会見で強調した「肩幅」を活かし(?)、得点王に輝いた。新人賞では収まらないその活躍を称え、BBS AWARDではベスト5を受賞。すでに名前が挙がったことで、他の有望なルーキーたちから選出していこう。
数名の名前が挙がり、その中にはアーリーエントリーとしてシーズン途中からシャンソン化粧品シャンソンVマジックに加わったイゾジェ ウチェの名もあった。レギュラーシーズン14試合に出場し、平均15.4点は6位の髙田真希(15.5点デンソー アイリス)と遜色なく、平均12.3本のリバウンドは堂々リーグ1位。来シーズンは白崎を迎えるシャンソンは着実に得点力がアップする。
さて、仮に今年ウチェを選んでしまえば、Bリーグの弊AWARDで選ばれたあの選手同様、2度目の新人賞受賞という珍事が女子でも起きてしまう。それを回避するためにも、アーリーエントリーは除外させていただいた。ウチェが期待の新人であることに変わりなく、本格的なルーキーシーズンが楽しみである。
ウチェよりも多い投票結果だった木村亜美(デンソー アイリス)と峰晴寿音(アイシン ウィングス)。同数で割れ、最後の1票を手にする選考委員にその結果を委ねる。長いシンキングタイムの末、どちらも譲ることができず、今年は2人同時受賞に決まった。
大学チャンピオンである東京医療保健大学出身の木村は、プレーオフファイナルを含めた28試合のすべてで先発出場を果たす。ポイントガードのところが、デンソーのウィークポイントとも言われてきた。しかし、木村が加入したことでその穴が埋まり、今シーズンははじめてレギュラーシーズン1位となった。高橋未来の成長も見られており、若き司令塔たちが今後のデンソーを支え、初優勝に歓喜する日も近い。
大阪人間科学大学出身の峰晴も全26試合に出場し、25試合を先発としてコートに立ち続けた。平均11.5点と二桁をマークし、47%のフィールドゴール成功率はリーグ9位。吉田亜沙美、野口さくら、飯島早紀を獲得したアイシンの来シーズンに胸躍る。峰晴の得点力がチームの活力となり、プレーオフへと導いてくれることを祈る。
木村と峰晴もアーリーエントリーとして昨シーズンを経験してきたことで、チームにフィットしていた。今シーズンも26名のアーリーエントリーを迎えたWリーグ。冒頭にウチェの名前を挙げたが、これからU19ワールドカップで世界を経験するルーキーも多く、オフ期間中に急成長する可能性は十分ある。白崎同様、新人賞の枠では収まらない選手が台頭する予感があり、来シーズンの新人賞も複数名が受賞するかもしれない。
文 泉誠一
写真 W LEAGUE
「Basketball Spirits AWARD(BBS AWARD)」は、対象シーズンのバスケットボールシーンを振り返り、バスケットボールスピリッツ編集部とライター陣がまったくの私見と独断、その場のノリと勢いで選出し、表彰しています。選出に当たっては「受賞者が他部門と被らない」ことがルール。できるだけたくさんの選手を表彰してあげたいからなのですが、まあガチガチの賞ではないので肩の力を抜いて「今年、この選手は輝いてたよね」くらいの気持ちで見守ってください。
※選手・関係者の所属は2022-23シーズンに準ずる。