強度の高いディフェンスとボールムーブメント
2020-21シーズンへ向けた夏、磯野寛晃は練習生として熊本ヴォルターズに迎えられた。それから7ヶ月後の2021年2月にプロとしての契約を結び、16試合出場。翌2021-22シーズンから先発を任されるようになり、熊本に欠かせない存在として3年目を送っている。
4月2日、東地区首位のアルティーリ千葉戦では、後半だけで10点を挙げる活躍を見せた。前半終了間際のディフェンス時、相手スクリーンと接触して肩を痛打。「あのような形でコートを去ってしまったこともあり、どうにかしてチームに貢献したいという思いが強かったです」と奮起し、コートに戻った後半最初の3ポイントシュートを決める。追い上げむなしく、62-66で惜しくも勝利には届かなかった。しかし、磯野は「ディフェンスでは手応えを感じられた部分もありますし、オフェンスではしっかりチーム全員でボールムーヴすることができたのは非常に大きかったです。個人というよりもチームでプレーできたからこそ、追い上げる展開になったと思います」と前を向いた。
4度対戦したA千葉にはいずれも敗れている。「個のタレントレベルの高さは当然ですが、やっぱり僕らが一瞬でも気を抜くと、すぐにトランジションでやられたり、アウトサイドシュートでやられたり、そういったところが非常に強いチームだったと感じです」という印象を持つ。西地区2位の長崎ヴェルカには2勝しているが、4連敗と負け越した。同首位の佐賀バルーナーズにもこれまで4連敗を喫している。4月15日・16日のホームゲームが残っており、そこで佐賀に一矢報いることができれば、チームとしても上向くはずだ。
すでに進出が決まっているB2プレーオフへ向け、「まずは自分たちのディフェンスから強度を高くプレーし、オフェンスではしっかりとボールムーブメントを起こしながらチームで戦っていかなければなりません」と磯野は述べ、1シーズンを通して強化してきたことを突き詰めていくだけである。